2017年にデビューしたスカイドゥエラーの326934。末尾が「4」は、WGxSSコンビを示すのですが、他のコンビモデルとは異なり、WGはベゼル部分のみがK18となります。
そのため、実勢価格は同じコンビでもYGxSSよりも安めで、そのキャラクターは「事実上のSSモデル」ともいえるでしょう。
また、末尾「4」の仕様はスポーツモデルでは存在せず、基本的にデイトジャストなどに採用される傾向が以前からあります。
ちなみに、ヨットマスターには「ロレジウム」がありますが、そちらはPtxSSコンビ。従来最高級モデルだったヨットマスターのイメージを踏襲したカジュアルなモデルとして、ロレジウムは「特別感のあるSS」といった印象を与えることに成功していたと感じます。
ですから、このスカイドゥエラーという高級モデルにも、SSモデルの役割を担う存在には、プラチナなど「他とは異なる要素」が与えれると思ったのですが、デイトジャストなどと同じ内容で326934が登場したのは意外だったわけです。
また、デイトジャストと差別化がないといった印象は、文字盤色のバリエーションにもあるといえます。このスカイドゥエラー326934には黒、白、青文字盤が用意されていますが、まさにこういった色合いはデイトジャストや5桁世代のエアキングと同じ印象。
そういった意味では、この326934という存在は、スカイドゥエラーに対してあった「特別な印象」をややぼやけさせるようにも思えてしまい、人気が出ない可能性もあったと思います。
しかし、実際は違いました。
326934は、スカイドゥエラーの中で一番というぐらいの人気度となっており、中でも青文字盤が大人気という様子。そのキャラクターは、まさに「現代の大人気ロレックス」といったところで、まさにスターのような存在感となっているのです。
そういったことから、2019年12月の段階で「デビュー年の新品実勢価格よりも、その後の中古ボトム価格のほうが高い」という様子となっていました。
2017年10月の新品実勢価格は230万円だったのに対し、2019年12月の中古ボトム価格は約248万円。実に18万円程度もの上昇だったのです。
そして、その勢いは未だ衰えていない様子。現在、326934青文字盤のボトム価格は約257万円という水準となっており、2019年12月よりも9万円ほどの上昇となっています。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年12月 の安値 |
2020年8月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
スカイドゥエラー 青文字盤 326934 |
中古 | 0年 8ヶ月 |
¥2,488,000 | ¥2,578,600 | 90,600 | 103.64% |
2020年といえば新型コロナによる値下がりトレンドがあるため、2019年12月との比較で上昇というこの326934の様子はなかなか優秀だと感じます。
ただ、実はこのような値動きをしているのは青文字盤だけではありませんでした。
青文字盤は326934の中で頭一つ高いといった価格帯であるため、「青文字盤だけが目立って上昇」といった値動きになりそうな感覚もありますが、実は今スカイドゥエラーは全体的に上昇している印象です。
例えばこの326934の場合、2019年12月でも現在でも、最も安い文字盤色は黒文字盤ですが、その水準は2019年12月と現在では異なるのです。
2019年12月において326934の黒文字盤は180万円台でしたが、今では200万円以上という水準に変化。
そういった意味では、2019年12月⇒2020年8月の動きでは、実は青文字盤より黒文字盤のほうが優秀といえるかもしれません。