近頃、「青文字盤」という要素が大人気な印象がありますが、これまで青文字盤は特に注目されるような存在感ではなかったといえます。
今人気の青文字盤といえば、ノーチラス、ロイヤルオーク、オーバーシーズ、スカイドゥエラーなどが思い浮かびますが、パネライやカルティエパシャCの青文字盤も他の文字盤色より高いという印象があります。
そういった青文字盤人気に火をつけたのは、ノーチラス5711/1A-010でしょう。5711/1Aは、2017年以降年々上昇し、その注目度はデイトナを凌ぐほどといっても過言ではありません。
しかし、そんな青文字盤の腕時計には忘れてはならない存在が1つあります。
それこそが、このミルガウス116400GVの「Zブルー文字盤」なのですが、おそらくこれが初めて「特別な青文字盤」という印象となった存在だと思います。
この場合の「特別」は、「そのシリーズにおいて特別感がある」という意味合いです。ミルガウスの例だと、黒文字盤に対して「後に追加された」ことや「Zブルーという名前が与えられた」といったことが特別であり、また、実勢価格も高い傾向があるわけです。
このZブルー文字盤まで、青文字盤というラインナップに対して「レア」と感じさせるキャラクターはなかったといえるため、「レア感のある青文字盤」としては元祖といえるのではないでしょうか。
ただ最近では、青文字盤の注目度が上昇したため、ミルガウスのZブルー文字盤は、それらの影で目立たないような存在感だったといえます。
実際、Zブルー文字盤といえども、その値動きは他のミルガウス同様「派手」というわけではありませんでした。
また、2019年7月の段階では116400白文字盤との価格差も縮まっていたわけです。白文字盤は従来6桁ミルガウスの中で一番安い存在、Zブルーは一番高い存在ですから、白文字盤が上昇したといえ、その差が縮まったというのは大きなインパクトだったわけです。
しかし、それから1年が経った今、状況は再び変化しています。
なぜなら、Zブルー文字盤は現在目立って上昇という様子。
2019年7月時点では約84万円という水準だったのが、現在ではなんと約98万円というボトム価格。実にこの1年1ヶ月で約14万円の上昇となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年7月 の安値 |
2020年8月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
ミルガウス Zブルー文字盤 116400GV |
中古 | 1年 1ヶ月 |
¥842,400 | ¥988,000 | 145,600 | 117.28% |
このZブルー文字盤は、6桁ミルガウスの中で抜きん出て高いという印象がありましたが、それでもその中古ボトム価格は80万円台程度といった水準にとどまっていました。
セラミックベゼルを有するスポーツモデルのどれもが100万円以上となっている今、Zブルーといえども、それらと大きく離れた価格帯に位置していたのです。
しかし今、Zブルー文字盤は約98万円というボトム価格になったことにより、セラミックベゼルらを追いかける様子に変化。約1年で14万円の上昇という値動きは、セラミックベゼルなど人気モデルと比べると地味という印象もありますが、それでもこれまでのミルガウスに対する印象からすると「異変」といって差し支えない状況だと感じます。