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現在相場考察

ついに1000万円超え、デイトナ116506A

2020年8月9日更新
ロレックスのデイトナ116506Aについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2020年7月の安値と2020年8月の安値を比較し現在相場を考察。この0年1ヶ月での変動は¥1,056,000だった。

デイトナ 116506Aについての考察(2020年8月)

「プレミア価格」とは、“定価では入手困難で、市場の相場が定価超えをしている”ことをいいますが、そういった現象が高級腕時計において一般的になったのは90年代後半のことでした。

またその頃から、高級腕時計の専門誌が増え、中古という選択肢も徐々に市民権を得ていったように感じます。そういった経緯から、腕時計の相場が「変動する」ことになっていったわけですが、これまでどういった値動き変遷をしてきたかというと以下の通りになります。

90年代後半を創世記として、2002年から2003年頃に値下がり。このとき、腕時計のプレミア価格は一時的なブームと思われました。

しかし、2005年頃からは再度上昇。それまでの相場と比べて随分上がった印象でした。

そして、その上昇トレンドは2007年頃まで続いたものの、2008年9月のリーマンショックで一気に下落。2000年前後水準よりも“安い”ぐらいの感覚になったのです。

そのような様子は2012年頃まで続きましたが、2013年のアベノミクスからは2007年を上回るぐらいに上昇

その後2017年にはさらに上昇、2018年にも上昇、2019年上半期はもっと上昇という動きを経て、この1年は2度の下落トレンドを経験したといった流れは記憶に新しいでしょう。

2012年頃までの事例ですと、2007年頃が最も高かったのですが、2013年からの上昇トレンドによって、その水準を回復。そして、2017年以降は2007年とは比べ物にならないぐらい上昇したといえます。

そういった意味では、2019年上半期という時期が、多くの腕時計にとって過去最高値といえる水準となっていたのですが、近頃2019年上半期水準を超えるモデルが出てきた印象があります。

今年といえば、4月に新型コロナによって多くの腕時計が『2018年水準並まで下落』となっていたため、コロナの問題が解決していない今の情勢では、2019年上半期水準を超えるのは「まだまだ先のこと」と思われても不思議ではありません。

けれども、2020年7月頃から、2019年上半期を超える水準のモデルは増えつつあり、記事でもいくつか紹介するほど分かりやすい動きとなっているのです。

そして今回紹介する116506Aもまた、そのようなことに該当する動きをしています。

現在、116506Aのボトム価格は約1045万円という水準なのですが、これはこれまでピーク水準としてお伝えしていた2020年1月の約969万円よりも76万円ほど高いのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2020年7月
の安値
2020年8月
の安値
変動額 残価率
ロレックス
デイトナ
116506A
中古 0年
1ヶ月
¥9,398,000 ¥10,454,000 1,056,000 111.24%

116506Aは、2019年夏の下落トレンドの際も、値下がりするどころか上昇し続けていたといった経緯がありましたが、その際、1000万円以上という水準になることなく、新型コロナによる下落トレンドで、5月には約899万円に下落してしまいました。

ただ、それから1ヶ月後の6月には再び上昇し、約939万円まで回復。

そして、今、再度上昇し、ついに1000万円超えとなったのです。

これは、筆者が確認した水準としては過去最高値でありますが、116506のほうもそういった様子になっているということは先日お伝えした通りです。

116506A116506の値動きをお伝えする際、いつも感じるのは「人気腕時計のトップ価格が変化した」という点です。

数千万円といったように高い腕時計は20年前の段階からたくさんありますが、多くの人が憧れる「人気モデル」となると、そのトップ価格は20年前ぐらいだと100万円程度だったのです。

その後、「人気モデル」のトップ価格は徐々に上昇し、特にこの3年ぐらいの間に116506ノーチラスが、それをガバっと上げた印象があります。

以前の記事では、「100万円⇒300万円⇒500万円⇒700万円」といったことを感慨深いなどと思っていましたが、700万円台で驚いたのも記憶に新しい今、116506A1000万円台となっているのです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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