2019年上半期における中古腕時計相場は、派手な上昇トレンドとなっていましたが、その後は値下がりトレンドが2回に渡って発生。そのため、この1年における値動きは「下落」という印象が強かったわけです。
最初の下落トレンドは2019年夏頃に発生しましたが、その様子は2016年夏を思い起こさせるような動きで、「特に大きな理由がない」にも関わらず、多くのモデルが値下がりしたのです。
とはいえ、その後値下がりは止まり、2020年の年始には回復傾向となった様子が見られました。
けれども、そのような兆しが見えたところで、今度は新型コロナが社会問題化。4月には、それを要因とする下落トレンドが再び起きてしまったのです。
その下落トレンドによって、多くの腕時計は2018年水準並にまで下落。2019年夏とは異なり「コロナ」という理由があるのは分かりやすいですが、より派手な下落となってしまいました。
けれども、4月に下落したモデルの多くは、緊急事態宣言が解除された6月頃から徐々に回復。そして、その後も値上がり傾向が続き、近頃では2019年上半期水準以上となっているモデルも珍しくなくなってきています。
そういった値動きを見せるモデルの多くは、6桁世代といったように新しい世代という傾向がありますが、今回お伝えするのも、まさにそれに該当するモデル。デイトナ116500LNの白文字盤です。
この時計、現在の中古ボトム価格は285万円となっているのですが、実はこれ2019年のピーク水準にかなり近い状態です。
記事でお伝えした116500LN白文字盤の最も高いボトム価格は、2019年6月の約286万円ですが、現在水準は285万円という水準。かなり近いように見える様子となっているのです。
ただ、2019年10月には消費増税があったため2019年6月水準を税率10%換算にしたならば約291万円となるため、現在水準は6万円ほど安いということになります。
とはいえ、現在水準はそれでも歴代2位といったところ。また、これまでのピーク水準に6万円まで迫っているというのも凄いと思います。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年6月 の安値 |
2020年8月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
デイトナ 白文字盤 116500LN |
中古 | 0年 2ヶ月 |
¥2,751,100 | ¥2,850,000 | 98,900 | 103.59% |
2019年10月に消費増税が行われたため、2019年6月水準は税率10%換算で約291万円となるのは先の通りですが、税率8%のままを相場とするか、税率10%換算を相場とするかは判断するのが難しい側面もあります。
現在水準と比較する場合、税率10%に換算することが重要だといえます。過去価格との比較では、どちらが高いかということを把握したほうが良いため税率を同じ条件にして比較したほうが良いと思うのです。
しかし、仮に116500LNの中古ボトム価格がこの先290万円台となったならば、それはそれで重要な出来事だと思うわけです。
2019年6月水準は税率10%換算だと290万円台ですが、当時の価格自体は280万円台。提示されたボトム価格が290万円台となるのは大きなニュースだといえるでしょう。
いずれにしても、116500LN白文字盤の現在水準は2019年6月水準に迫っているわけで、税率10%換算での価格差は6万円、額面での差は1万円程度。随分回復したと感じます。