オメガのコンステレーションには、クォーツモデルや自動巻など様々な種類がありますが、今回取り上げる1552.30は、特殊なクォーツムーブメントが搭載されたモデルです。
これに搭載されているETA252.511は、3針+デイトという内容のクォーツですが、実は永久カレンダー機能を搭載しています。
永久カレンダーといえば、インダイヤルによって永久カレンダーらしさを演出する傾向があり、クォーツでもそういったことが一般的だといえます。
しかし、このキャリバーは、一見ただの3針なのに実は永久カレンダーというのが面白いポイント。
永久カレンダーですから、「何月何日」という部分まで表示可能なのですが、1つしかないデイト窓でどのようにしてそれを伝えるのでしょう。
その答えは、なんと「竜頭を押すとデイトが回転する」であります。
普通の腕時計の場合、竜頭が通常位置にある場合、それ以上押し込むことができませんが、このムーブメントは押し込むことが可能。押すと反発力があって、離すと竜頭はすぐ跳ね返るのですが、3秒ぐらい押し込み続けると、デイト部分が動き始めるのです。
ですから、9月3日であれば、デイト表示がぐるぐる回って「3」から「9」に変わります。そして、5秒ぐらい停止してから、4年の年次を示すローマ数字が現れた後、もとの「3」に戻るわけです。
なぜこのレアムーブメントの仕組みを詳しく知っているかというと、実は同様のムーブメントを搭載した腕時計を筆者が持っているからなのですが、2月28日の翌月にデイトが「1」となっている姿を見るのは感激します。
とはいえ、実はこのムーブメント、これだけの特殊機能を搭載しているだけあって、メンテナンスがやや困難。とにかくパーツが手に入りづらいようで、メーカー以外では修理できないと思ったほうが良いといえます。
そういったことから手を出しづらい印象もあるわけですが、修理の際は単純にメーカーに出せば良いわけで、避けるほど厄介というわけでもありません。
「厄介ではない」ということは、相場からも感じることができるのですが、この時計、3年前に紹介したときよりも値上がりしているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年8月 の安値 |
2020年9月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オメガ
コンステレーション 1552.30 |
中古 | 3年 1ヶ月 |
¥73,800 | ¥118,000 | 44,200 | 159.89% |
3年前に1552.30を紹介した時点では、約7.3万円でしたが、今ではなんと11.8万円という状況。3年で値動きした額は約4万円となるわけですが、それ以上に7万円程度だったクォーツモデルが10万円以上になったことに驚きます。
クォーツ搭載モデルは、マニアックさが弱いことから、指名買いされづらく、結果的に値動きしにくい側面がありますが、この1552.30には「特殊な永久カレンダー搭載」という濃いキャラクターがあるわけで、値動きしたのだと思います。