カルティエのパシャといえば、今年メンズサイズが復活しましたが、これまでに様々なシリーズが展開されてきた経緯があります。
パシャの登場は1985年ですが、その際登場したのが38mm。「パシャオリジナル」などと呼ばれることもあります。
1995年には、カジュアルモデルとしてパシャCが登場。38mmとは異なり、SSのみの展開となっています。
この時点では、パシャのシリーズは、「高級かカジュアルか」という2つしかなかったといえます。38mmの女性版として32mmがありましたが、それらはまとめて「高級なパシャ」といった印象。ちなみに当時の32mmはK18のみの展開だった模様です。
腕時計ブームといわれた時代において、現行だったのがこの世代なのですが、当時は当たり前のようにロレックスと比較対象になるといった存在感だったといえます。
そして2000年代中盤になると、パシャシータイマーとミスパシャが登場。また、パシャCが女性向けキャラクターが強くなったという変化が生じたため、全体像を把握するのが困難となった印象があるわけです。
このようなことから、2000年代前半頃までのパシャは、キャラクターが分かりやすい印象があるわけで、中古でもある程度指名買いがあるように感じます。
今回の記事で取り上げるパシャCのW31044M7ですが、これは2000年頃に登場した白文字盤のビックデイトです。
同じデザインの白文字盤はそれまで存在していましたが、このモデルからビックデイトに変更。当時、黒文字盤やメリディアンもラインナップされていましたが、白文字盤だけがビックデイトとなったのです。
筆者は1999年頃、このパシャCの白文字盤が欲しくてたまらなかったため、常にチェックしていたのですが、2000年にビックデイト化された際「より豪華になった」と好印象だった記憶があります。
ただ、リーマンショックまでのこの白文字盤ビックデイトの中古相場は20万円以上といったところだったため、コレクションの1本として衝動買いするには少し高いと感じる価格帯に位置していました。
それが、リーマンショック後は10万円台に下落。その際、筆者はそのうちまた値上がりするだろうと思っていました。
そして、アベノミクスをきっかけとしてロレックスやオメガなどが値上がり。もちろん、パシャCも高くなると思っていたら、むしろ安くなるぐらいの値動きとなったのです。
さて、アベノミクスから早くも8年近くが経過しようとしていますが、パシャCは相変わらず10万円台という水準に位置しています。
もはや、パシャCは15万円前後といった水準が当たり前という感覚もあるのですが、このW31044M7はどうかというと、やはり3年前と大きく変わらない様子であるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年8月 の安値 |
2020年9月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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カルティエ
パシャC W31044M7 |
中古 | 3年 1ヶ月 |
¥138,240 | ¥140,800 | 2,560 | 101.85% |
3年前にこのW31044M7を取り上げた際、「値動きを気にせず、遊び枠でコレクションに加えるのが良い」と書きましたが、当時の記事を読み返して、今と全く同じように考えていることに自分でも驚きました。
筆者のように現行時代にこのモデルに興味があったけれど買わなかったという方はもちろん、初めてこれを見てデザインが気に入ったという方も、コレクションボックスの中に花を添えるといった感覚で気軽に買うのが良いと思うのです。
パシャCの印象は今の時代において女性向けといったイメージですが、特に白文字盤は女性的なエレガントさがあるといえます。
それこそがこのパシャCの魅力でもあるのですが、そのような印象があるために購入してもあまり使わないということになる可能性もあるわけです。
しかし、仮に使わなかったとしてもコレクションボックスの中にある姿を見て得られる満足度が高いと感じます。この時計の過去価格や、当時同じ値段だったロレックスなどと比較すると、かなり気軽に買えてしまう水準になったと思うと同時に、ここ数年間相場が大きく変わっていないという点からも「気軽に」買える存在だと感じます。
また、男性が自分の恋人や配偶者に貸したりプレゼントしたりして、この美しいパシャCを第三者の視点で眺めるというのも1つの楽しみ方だと思います。