タグホイヤーの復刻カレラといえば、2017年頃まで10万円台という価格帯でしたが、ここ最近はその倍近くまで上昇するといった現象が起きているように感じます。
復刻版世代のカレラには、いくつかの種類がありますが、黒文字盤のCS3111に関しては、今年3月に40万円台となっています。
ですから、復刻世代のカレラは、2年3年前と比べて随分上昇したという印象があるわけですが、同じような見た目でもあまり値動きしていない存在があります。
このカレラ、CV2110は、一見するとCS3110と似ていますが、
という点が異なります。
このCV2110は、2004年に登場したのですが、これ、CS3110を近代化したモデルといった印象です。
自動巻、デイト表示という内容は、まさに日常使用に求められる機能。CS3110の「手巻き・デイトなし・ドーム型プラスティック風防」という内容がマニア向けであるのに対し、CS2110はマス向けなのです。
新品時において、こういった『マス向け』という要素は歓迎される場合がありますが、中古となるとキャラクター性がそれほど強くない印象となり、指名買いされない可能性もあります。
実際、このCV2110の現在相場は、2018年2月水準とほぼ変わりない様子。復刻世代の場合、2018年との比較では、「随分違う」となっている場合が珍しくないため、“復刻でない”世代は評価されていないといえます。
本記事で参考とした中古腕時計
|
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年2月 の安値 |
2020年9月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
タグホイヤー
カレラ CV2110 |
中古 | 2年 7ヶ月 |
¥217,800 | ¥209,800 | -8,000 | 96.33% |
このCV2110、2012年頃の相場だと、復刻のCS3110よりも高い水準に位置していました。
その当時、CV2110は約16万円だったのに対し、CS3110は10万円台前半といった水準。単純に「新しいほうが高い」といった感覚の相場だったといえます。
しかしながら、今となってはCS3110よりもCV2110のほうが10万円程度安いという価格序列に変化。現在、CS3110の中古売出しはないものの、2020年の売出し価格を見る限り30万円前後です。
復刻世代の売出し個数が減り、なおかつ相場も高くなった今、CV2110という存在は「復刻エッセンスを含んだ気軽に使える1本」として検討するのが良いような気がします。