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現在相場考察

復刻でない世代、カレラCV2110

2020年9月9日更新
タグホイヤーのカレラについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年2月の安値と2020年9月の安値を比較し現在相場を考察。この2年7ヶ月での変動は¥-8,000だった。

カレラ CV2110についての考察(2020年9月)

タグホイヤーの復刻カレラといえば、2017年頃まで10万円台という価格帯でしたが、ここ最近はその倍近くまで上昇するといった現象が起きているように感じます。

復刻版世代のカレラには、いくつかの種類がありますが、黒文字盤のCS3111に関しては、今年3月に40万円台となっています。

ですから、復刻世代のカレラは、2年3年前と比べて随分上昇したという印象があるわけですが、同じような見た目でもあまり値動きしていない存在があります。

このカレラCV2110は、一見するとCS3110と似ていますが、

  • タグホイヤーロゴ
  • デイト表示 あり
  • automatic表記 あり
  • CARRERA表記 あり
  • という点が異なります。

    このCV2110は、2004年に登場したのですが、これ、CS3110を近代化したモデルといった印象です。

    自動巻、デイト表示という内容は、まさに日常使用に求められる機能。CS3110の「手巻き・デイトなし・ドーム型プラスティック風防」という内容がマニア向けであるのに対し、CS2110はマス向けなのです。

    新品時において、こういった『マス向け』という要素は歓迎される場合がありますが、中古となるとキャラクター性がそれほど強くない印象となり、指名買いされない可能性もあります。

    実際、このCV2110の現在相場は、2018年2月水準とほぼ変わりない様子。復刻世代の場合、2018年との比較では、「随分違う」となっている場合が珍しくないため、“復刻でない”世代は評価されていないといえます。

    本記事で参考とした中古腕時計

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    本記事の価格比較

    腕時計 状態 期間 2018年2月
    の安値
    2020年9月
    の安値
    変動額 残価率
    タグホイヤー
    カレラ
    CV2110
    中古 2年
    7ヶ月
    ¥217,800 ¥209,800 -8,000 96.33%

    このCV2110、2012年頃の相場だと、復刻のCS3110よりも高い水準に位置していました。

    その当時、CV2110約16万円だったのに対し、CS311010万円台前半といった水準。単純に「新しいほうが高い」といった感覚の相場だったといえます。

    しかしながら、今となってはCS3110よりもCV2110のほうが10万円程度安いという価格序列に変化。現在、CS3110の中古売出しはないものの、2020年の売出し価格を見る限り30万円前後です。

    復刻世代の売出し個数が減り、なおかつ相場も高くなった今、CV2110という存在は「復刻エッセンスを含んだ気軽に使える1本」として検討するのが良いような気がします。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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