2019年上半期といえば、ロレックスを中心に多くのモデルが派手な値上がりとなった時代ですが、その時期パテックフィリップも値上がりしていました。
アクアノートの場合、特に値動きしていたのが5065/1Aなのですが、2019年1月まで250万円程度だったのが、8月には400万円以上という水準になったのです。
5065/1Aといえば、近い存在として5066/1Aがあり、これまで両者は同じように値動きしてきた傾向があります。
ラージサイズの5065に対して、5066はミディアムなのですが、アクアノートにおける人気要素は「ブレスレット」だったため、両者は「人気のあるアクアノート」という印象でした。
現行だった時代においては、価格は全くといって良いほど変わらず、「ラージかミディアム、好きな方を選ぶ」といった感覚だったのです。
しかし、今では大小2つのサイズがある場合、「大きいほうが高い」という傾向があります。
アクアノートも例外ではなく、少なくとも2017年頃の段階では、5065よりも5066のほうがはっきり安いとなっていました。
とはいえ、両者の価格差は十万円単位。その差は20万、30万円ぐらいだったといえます。
けれども、2019年上半期に5065/1Aが派手な値上がりをしてからは違うのです。
5065/1Aがどんな値動きをしようが、5066/1Aはそれほど変わらないという状況。5065/1Aはこの1年で多くの腕時計が乱高下したように、下落トレンドで値下がりした後、現在は390万円程度(ブレスレットの5065Aのボトム価格は約368万円)となっている模様ですが、そのような動きの横で5066/1Aは200万円台前半で購入可能なのです。
そのような指摘は、2019年11月時点でもしたのですが、それから10ヶ月が経過した今でも5066/1Aの水準はそれほど大きく変わらないといえます。
もちろん、値上がりはしているのですが、その動きは14万円程度の上昇といったところ。約440万円から338万円まで下落し、それから390万円程度にまで回復した5065/1Aの値動きとは全く違うのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年11月 の安値 |
2020年9月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
アクアノート 5066/1A |
中古 | 0年 10ヶ月 |
¥2,255,000 | ¥2,398,000 | 143,000 | 106.34% |
5065/1Aが派手な動きをした一方、あまり動いていない5066/1Aに対してお得感があるというのはすんなり理解できることだといえますが、そのような現象が起きている場合、数ヶ月程度で補正されるというのが多いと感じます。
けれども、5066/1Aに関しては5065/1Aに追従する動きとはならず、5065/1Aが派手に上昇してから1年以上が経過した今でもそれほどの値動きとはなっていないのです。
しかしその一方、アクアノートには気になる動きがあります。
それは、第1世代、第2世代を問わず、ラバーベルトモデルが全体的に高くなっているという点です。
これまで、アクアノートといえばブレスレットが最も人気。ラバーベルトでも、例外的に人気があると感じたのはトラベルタイムの5164Aぐらいという印象でした。
けれども今では、5167Aなど3針のラバーベルトが軒並み高くなっている様子があります。
そういった意味では、アクアノートの人気要素は「ブレスレットからラバーベルト」と変化したといえるのですが、筆者としては、未だ「ブレスレットは魅力的」という感覚があります。
なお、第一世代のアクアノートは、同じデザインが今でも女性用として現役ですが、ブレスレットはありません。
現行世代の事例でも、ブレスレットは5167/1Aしかラインナップされていないわけで、やはりアクアノートのブレスレットはレアという印象があるといえます。
特に第一世代のブレスレットの独特な形状は魅力的だと感じるため、「ブレスレットよりもラバーベルト人気が高い」といえる今の時代においても、その輝きは失われていないと筆者個人的には思うのです。