2007年の登場以来、「最もレア感のないGMTマスター2」という印象だった116710LN。
その理由こそ、6桁において赤青が廃止されたため、「黒ベゼル」が最もオーソドックスという印象になったからだといえます。
実は青赤が現行として“普通に”ラインナップされていた5桁時代、特に人気があったのは「黒ベゼル」でした。実際、2001年の有名店における新品実勢価格を見ても、黒ベゼルだけが2万円ほど高かったのです。
しかし、青赤が廃止された2007年以降、GMTマスター2の人気要素は「カラーベゼル」へと変化。黒ベゼルは最も人気のない存在となってしまったのです。
そして、2013年に116710BLNRが出ると、その印象はさらに強くなりました。116710BLNRが入手困難かつプレミア価格状態だった一方、116710LNは定価よりもだいぶ安い水準で中古が購入可能だったのです。
2016年9月においては、中古ボトム価格が65万円となっていましたが、当時は114060とともに「セラミックベゼル最安値」を争っていたようにも見えたほどの価格帯となっていたのです。
そのようなキャラクターだった116710LNですが、なんと2019年3月のモデルチェンジで後継モデルが出ないということが発覚。すると、派手に上昇したのです。
生産終了発覚前である2018年11月の水準は約91万円でしたが、生産終了発覚後の2019年3月水準は約127万円にまで上昇。一気に上がったという感覚がありました。
ただ、2019年夏に下落トレンドが発生すると、8月には98万円にまで下落。2018年水準にまで戻ったようで、「高かったのは一瞬」という感覚があったといえます。
ただその後は、回復傾向となり、2019年10月には約108万円、2020年2月には約116万円というようにい順調に値動きしていた様子があります。
そして今、この116610LNは約121万円という水準になっているのですが、これは久々に120万円台回復という様子であるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年2月 の安値 |
2020年9月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
GMTマスター2 116710LN |
中古 | 0年 7ヶ月 |
¥1,166,000 | ¥1,218,800 | 52,800 | 104.53% |
120万円台に回復したものの、現在水準はまだ歴代1位とはいえない様子。これまで記事でお伝えした水準として最も高かったのは、2019年3月の約127万円ですから、現在の約121万円というボトム価格では、まだ2019年3月水準に対して6万円ほどの差があるのです。
とはいえ、120万円台となったのは久々のこと。2019年8月に100万円を割って以降、120万円台というボトム価格は一度も見なかったわけで、1年以上という月日をかけて、下落トレンド以前の状況に戻ったような感覚だといえます。
近頃、2019年上半期並の水準に回復するモデルが多い傾向がありますが、この116710LNもまさにその例だといえるでしょう。
すると気になるのは116710BLNRのほうですが、そちらの現在ボトム価格は150万円台後半。2019年上半期のピーク水準は170万円台だったため、まだ「2019年上半期並」とはいえない様子です。