2016年に登場したエアキングは、デビュー時において、その意外性からかなり注目度の高いモデルとなった印象がありました。
ただ、そのようなポジションだったのは、デビュー年だけという感覚があり、その後の価格序列では、そこまで高くないという印象となっていました。
特に2019年11月の相場は印象的で、116900は16570黒文字盤と同じ水準という価格帯にいたのです。
当時、116900は特に大きく動いていたわけではなく、順調に値動きした16570に「追いつかれてしまった」という感じだったわけです。
116900がデビューした2016年において、16570は30万円台後半。それに対して116900は60万円前後という水準でした。
ちなみに、2016年当時、ミルガウス116400の白文字盤は40万円台後半だったのですが、2019年11月頃の水準は70万円台となっていました。
ですから、116900は2016年当時と比べて「相対的に安くなった」という感覚だったといえます。
また、116900はあまり大きく値動きしないという傾向もありました。2018年3月に60万円を切ったことがあったものの、それ以外の時期は60万円台前半という状況。ほぼ動かない感覚があったのです。
そんな116900ですが、2020年1月になると「異変が起こった」と感じられました。
当時の水準は約66万円だったのですが、これは一見微妙な動きにも見えてしまいます。けれども、それ以前において長らく60万円前半という水準から動かなかった様子を考慮すると、久々に動いたという感覚になったわけです。
また、それだけでなく、約66万円は中古として過去最高値ともいえる水準。2020年1月といえば、まだ下落トレンドからようやく回復といった時期だったわけですが、そのような状況で過去最高値級にまで値上がりしたのは「異変」だといえたのです。
そのような異変を1月に感じるというのは、もしかしたら3月の新作発表で「廃止」となるのではないかと思われました。
けれども、新型コロナにより延期となった9月の新作発表時において、エアキングの新作はなく、116900も生産終了となることはなかったのです。
しかし、それでも116900の値動きは止まっていないのです。
現在ボトム価格は、約75万円。116900は70万円台となっているわけですが、これはかなり驚く出来事だといえます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年8月 の安値 |
2020年9月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
エアキング 116900 |
中古 | 0年 1ヶ月 |
¥687,500 | ¥759,900 | 72,400 | 110.53% |
116900は、長らくデビュー年の新品実勢価格が最も高いという状況となっていましたが、2020年8月水準をもって「デビュー年の新品よりも、後の中古のほうが高い」ということを達成しています。
そのような状況となったのはの8月ですが、それから1ヶ月で70万円台中盤にまで達してしまったということに驚きます。
116900の水準といえば、長らく60万円前半から大きく変動しないという印象がありましたが、今ではボトム価格が約75万円という水準。2020年において、116900の印象はガラッと変わったと感じます。