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現在相場考察

3年前とほぼ変わらない、年次カレンダー5035G

2020年10月1日更新
パテックフィリップの年次カレンダーについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年10月の安値と2020年10月の安値を比較し現在相場を考察。この3年0ヶ月での変動は¥32,600だった。

年次カレンダー 5035Gについての考察(2020年10月)

かつて、年次カレンダーのラインナップがほぼ単一だった時代、そのメインモデルといったポジションだった5035。

現在の年次カレンダーには多様なラインナップがありますが、そうなったのは2000年代中盤頃からだといえます。

それ以前は、今のワールドタイムのようなラインナップとなっており、年次カレンダーといえば5035」という印象があったといえます。

実際、年次カレンダーは「発明」のような機構。ですから、出たての時期としては「年次カレンダー」が、“1つのシリーズ”というイメージとなっても不思議ではありません。

ですから、この5035という初代年次カレンダーは、それなりに認知されているモデルだと思うわけですが、そのようなイメージはすでに過去のことといえるかもしれません。

なぜなら、ここ5年ぐらいの間、5035はあまり話題になっている印象がなく、特に値動きするといった傾向もありません。

それどころか、2017年頃までは200万円以下といった水準も珍しくなく、年次カレンダーながら「お得」という要素があったのです。

そんな5035ですが、2017年と現在とではその様子が変わっているといえます。

それは、売り出されている個体数が減っているという点。2017年頃までは、常時何本か売っているという印象だったのが、今では売出し個体が0となっていることが珍しくありません。

また、5035にはWGの5035G、YGの3035J、RGの5035R、Ptの5035Pというラインナップがありますが、以前はPtを除くといずれもよく見かけるという感覚がありました。

それが今では、5035全体の中古が珍しくなってきており、出たとしてもYGのみ、WGのみといった傾向。実際、現在売りされている個体は5035Gのみとなっています。

売りだし数が減るという現象が起こる場合、値上がりの前兆といった傾向がありますが、実際ノーチラス5711/1A-011などは、売出し数が分かりやすく減った後に上昇した経緯があります。

では、5035Gは今、どういった価格帯になっているのでしょう。

その答えは、約238万円であるのですが、これは2017年10月水準とほぼ変わっていない価格であるのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年10月
の安値
2020年10月
の安値
変動額 残価率
パテックフィリップ
年次カレンダー
5035G
中古 3年
0ヶ月
¥2,354,400 ¥2,387,000 32,600 101.38%

5035Gの2017年10月水準は、どういった値動きだったかというと、2016年12月水準に対して約41万円という値上がりでした。

それまで5035系統は、200万円以下という個体が目立っており、おおよそ200万円前後といった印象でしたが、2017年10月の値動きで230万円台へと回復したのです。

しかし、その後はあまり目立つ動きをすることなく、個体数が減った今においても、3年前とほぼ変わらないという状況。20年近く前といった時代、評価が高かった5035Gですが、今の様子をみると、かつての印象からすると驚くほど目立たないキャラクターになっていると思います。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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