2016年頃の段階から、ノーチラスの中で最も高く、なおかつ派手な値動きをしている存在がクロノグラフの5980/1Aであります。
この場合の「最も高い」とは、SSモデルにおいてでありますが、その中古相場は2019年上半期から1000万円以上となっているわけです。
5980/1Aは2016年の段階から、「かなり高いSSモデル」という印象でしたが、2016年7月水準は538万円だったのです。
その際、500万円台となっていたのは5980/1A-014ですが、これは2010年に登場した黒文字盤。5980/1Aには、この他に青文字盤、白文字盤がありますが、黒文字盤が最も高い存在となっているわけです。
近年、同じモデルの文字盤バリエーションの中で、『青文字盤が黒文字盤よりも高い』という現象が珍しくありませんが、5980/1Aの場合、長らく黒文字盤のほうが高い状況。「青文字盤人気といえば、ノーチラスが影響を与えた」という印象があるにもかかわらず、クロノグラフに限って、青文字盤が高くないという現象は面白いと感じます。
そんなクロノグラフの黒文字盤5980/1A-014ですが、2016年に記事で紹介して以降、年々相場は上昇していた様子がありました。
ですから、黒文字盤のクロノグラフノーチラスはすごく強いという印象だったわけですが、今年2020年2月に、初めて値下がりした様子をお伝えするという状況となっています。
2020年といえば4月5月に新型コロナによる下落トレンドがありましたが、この5980/1A-014が下落したのは2020年2月というなんともいえない時期。また、値下がりとなった2月から、現在までにかけて特に回復といった感覚もなく、他のモデルが8月頃から目立って値動きしているにも関わらず値上がりという様子もありません。
そして、今では分かりやすく値下がり状態となってしまっており、現在水準は約1119万円という水準となっています。
これは、「初の値下がり」ということをお伝えした2月水準よりも、さらに約111万円の値下がり状態であるわけですが、他のモデルが回復している時期に100万円単位の下落となっているのは、気になる動きだと感じます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年2月 の安値 |
2020年10月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ノーチラス 5980/1A-014 |
中古 | 0年 8ヶ月 |
¥12,310,000 | ¥11,199,600 | -1,110,400 | 90.98% |
ノーチラスといえば、2017年以降、5711/1A青文字盤を中心に目立った上昇という印象でしたが、このところそれを含めて特に激しい動きがありません。
5711/1A青文字盤も、この5980/1A-014の動きも共通するのは、2019年上半期がピーク、それ以降は値下がりといったところでしょう。
また、「2019年夏頃から値下がり」といっても、2019年上半期のピーク水準前の相場と比べると「実は高い」というのも同じだといえます。