2004年にデイトナ初のWGブレスレットモデルとしてデビューした116509。
世代的には、116520など2000年デビュー組といえますが、2016年のモデルチェンジの際、リファレンスが変更されなかったため、今でも現行としてラインナップされています。
YGの場合、116528⇒116508となったわけですが、116509は新旧同じリファレンスであるため、新しくて高いものと、ボトム価格に位置するものがあるわけです。
116509において、ここ数年、ボトム価格に位置するのは、2004年にデビューした黒文字盤ですが、これはWG専用の黒文字盤であるため、登場時は今の116506のような存在感だったといえます。
しかし、プラチナの116506がデビューして以降はフラッグシップという印象がなくなり、また、WG人気の低下というトレンドも重なったため、お得感のあるK18デイトナという印象すらあるぐらいの相場となっていたこともありました。
そして、今年の新型コロナによる下落トレンド時には大きく下落。2019年12月水準は約288万円でしたが、2020年5月には260万円というボトム価格になったのです。
ただ、7月には早くも回復。当時、約294万円という水準だったのですが、これは「値下がり分を一気に取り戻した」といえるような値動きだったといえます。
そんな116509黒文字盤ですが、なんと今、かなり目立った値動きとなっている様子があるのです。
現在、この116509黒文字盤は約353万円という状況。これは、7月水準に対して約58万円の上昇であり、筆者が確認したボトム価格としても、過去最高値を大きく更新といえる状況であるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年7月 の安値 |
2020年10月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
デイトナ 黒文字盤 116509 |
中古 | 0年 3ヶ月 |
¥2,948,000 | ¥3,532,750 | 584,750 | 119.84% |
近頃、旧6桁世代が新6桁へと世代交代していますが、新6桁は5桁世代のデザインに近いという特徴があるようにも感じます。
そのため、旧6桁世代は「何かと特殊だった」という印象になり、逆にレア感が増した結果値上がりしていると推測できます。
この116509黒文字盤は、旧6桁世代よりはやや古い世代であるため、旧6桁特有の「ご法度な要素」は強くないといえます。それでも、「黒文字盤に赤い差し色」といったことや「アラビア数字」という点が、デイトナらしくないという見方もできるため、旧6桁に近い特異な要素を含んだモデルだといえるかもしれません。
そういったことが評価され、今回のような動きとなったと推測できる、と思ったのですが、実は同じ世代のYG、116528も現在目立った上昇傾向となっています。
評価されたのが116509だけでないことから、この値動きは「金無垢モデルが評価されるというトレンド」といったほうが正しいように感じます。
近頃、金相場自体が上昇していますが、それに加えて、腕時計のトレンドももしかしたら「SSからK18」となりつつあるのかもしれません。