青文字盤といえば、ノーチラスの一番人気という印象がありますが、今やロレックスでもそういった現象が起きているぐらいとなっています。
青文字盤という文字盤色は、黒、銀、白と同じぐらいポピュラーですが、これまで「人気色」というイメージがなかったため、近年の青文字盤人気は、衝撃的だともいえるでしょう。
ノーチラスは、2017年以降においてデイトナのライバルといったぐらいの人気度となっており、その相場も年々上昇しています。
そして、最も高いノーチラスこそ「青文字盤」という要素を含む傾向があるわけで、ノーチラスが青文字盤人気というトレンドを作ったといっても過言ではありません。
そんなノーチラスには、コンプリケーションなどいくつかのバリエーションがありますが、中でも最も高いのがクロノグラフであります。
もともと相対的に高かったクロノグラフですが、2017年以降、その相場は年々上昇。2019年には、1000万円以上という中古水準に達しています。
ですから、クロノグラフのノーチラスは「最強」というイメージがあるわけです。
しかし、興味深いのは、この5980/1Aにおいて青文字盤は「高いほうのモデル」という印象がないことです。
冒頭でお伝えしたように、「ノーチラスといえば青文字盤人気」という印象がありますが、5980/1Aに関しては、「青文字盤が安いほう」という傾向があるのです。
5980/1Aで最も高い水準となっているのは黒文字盤。そして、青文字盤はそれよりも安い価格帯に位置しています。
実際には、青文字盤より白文字盤のほうが安いのですが、白文字盤の流通数は多くないため、「青文字盤が安いほう」という印象があるのでしょう。
とはいうものの、青文字盤の5980/1A-001はこれまでずっと値上がり傾向というような状態でした。
ですから、5980/1Aの中で青文字盤は相対的に高くないものの、他の時計と比べると「なにかとすごい」といえたわけです。
実際、2019年11月という下落トレンドの時期でも5980/1A-001は上昇していたため、「強いモデル」という印象だったといえます。
しかしながら、最近ノーチラスは全体的にあまり値上がりしていない傾向。8月頃から、ロレックスは2019年上半期以上となっているモデルがそれなりにある状況となっている反面、ノーチラスはこのところパッとしません。
では、この5980/1A-001はどういった水準かというと、現在1115万円というボトム価格。
この金額自体は凄まじいのですが、値動き的には2019年11月水準に対して約127万円の値下がり状態。
黒文字盤などと同様、100万円単位の下落となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年11月 の安値 |
2020年10月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ノーチラス 5980/1A-001 |
中古 | 0年 11ヶ月 |
¥12,423,600 | ¥11,150,000 | -1,273,600 | 89.75% |
ノーチラスの値動きといえば、2019年上半期にすごく上昇、その後は値下がりという傾向がありますが、先日の5711/1A-010の記事でもお伝えしたように、「値下がりでも2019年上半期より前の水準よりは高い」といった価格帯が多いと感じます。
実際、この5980/1A-001もそういった傾向があり、現在水準は値下がり傾向とはいえ、2018年12月水準よりもずいぶん高いのです。
また、値下がりしたとはいえ、その水準は1000万円台をキープした状態。そのため、現在相場をどのように判断するか難しい状況だと思います。