今年9月のモデルチェンジによって、2世代前となった16610。
この5桁のサブマリーナは、ロレックスブームだった2000年前後といった時代に現行世代だったモデルですが、当時は「最もオーソドックスな選択肢」といった印象だったといえます。
その頃、入手困難なのはエクスプローラー14270であり、その次に人気なのが16570黒文字盤といったところでした。
それらは、定価よりも高い新品実勢価格となっており、在庫があるお店も腕時計専門店といった印象だったといえます。
その一方、16610は定価よりも安い価格帯で購入可能。当時のSSスポーツモデルの価格序列では、中間といったところ。入手難易度が高いという印象は少しもありませんでした。
その頃、ドンキホーテでは高級腕時計を積極的に販売していましたが、16610は「どのドンキでも見かける」といっても過言でないほどオーソドックス。38万円ぐらいのプライスタグを見かけた記憶が筆者としてはあります。
ちなみに当時、ヨットマスターロレジウムがデビューしたばかりでしたが、「高級なSSモデル」といった印象でした。
サブマリーナが約38万円だった時代、ロレジウムは約83万円(いずれも同じお店の新品実勢価格)。デイトナなどと同じように「憧れの的」といったキャラクターだったといえます。
ここまでは2000年頃の様子をお伝えしましたが、今の様子を見てみたいと思います。
現在、サブマリーナ16610のボトム価格(ABランク以上)は約82.5万円。それに対して、ヨットマスター16622は約81.9万円。両者の中古相場は「ほぼ同様」となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年9月 の安値 |
2020年10月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
サブマリーナ 16610 |
中古 | 1年 1ヶ月 |
¥774,900 | ¥825,000 | 50,100 | 106.47% |
16610はそれなりに前から、同世代のSSスポーツモデルの中で相対的に高い状態でしたが、値動き的にはそれほど派手とはいえず、この1年における変動額は5万円程度であります。
また、ヨットマスター16622も値動きしていないというわけではなく、現在水準の80万円台は中古相場としては過去最高値に匹敵するほどの水準であるのです。
ですから、16610、16622の両者は、いずれも派手な変動となっていないにも関わらず、気づいたら同じような水準となっているのが興味深いといえます。
なお、この16610の約82万円という中古ボトム価格は、筆者が調べた限りですが、過去最高値更新です。
2000年頃の様子を見ると「びっくりする価格帯」といえるのですが、この1年の変動額が5万円程度であるため、値動き変遷を深追いしないとこの「凄さ」が分かりづらいといえるでしょう。