2006年、ノーチラス初のクロノグラフモデルとしてデビューした5980/1Aですが、その文字盤色にはバリエーションがいくつかあります。
最初に登場したのは青文字盤で、2010年には黒文字盤が登場。そして、2012年には白文字盤が追加されています。
白文字盤の5980/1A-019は比較的新しいため、中古売出しが最も少ない傾向があり、特に2018年頃まではそのような傾向が強かったといえました。
ただ、2019年からは中古の個体をそれなりに見かけるようになり、2020年現在では他の文字盤色と同じぐらいの中古個体がある状況となっています。
この白文字盤の相場は、5980/1Aの中で最も安いといった価格序列なのですが、それは中古の売出し数が少なかった時期でも同じでした。
2012年追加というように、5980の中で新しいモデルだけに、このような価格序列は意外と感じますが、白文字盤人気という近頃のトレンドからしても、そういった感覚は強いといえます。
そして、そのような価格序列は現在も同様で、白文字盤は最も安く購入可能な5980/1Aとなっています。
まして、現在5980/1A-019は値下がり傾向。
前回お伝えした2019年12月時点の水準は1199万円でしたが、現在では約1050万円。実にこの10ヶ月間で148万円ほどの値下がりとなっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年12月 の安値 |
2020年10月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ノーチラス 5980/1A-019 |
中古 | 0年 10ヶ月 |
¥11,990,000 | ¥10,505,000 | -1,485,000 | 87.61% |
先日お伝えしたしたように、現在5980/1Aは青文字盤も黒文字盤も値下がり状態であるため、こういった値動きとなっているのは白文字盤だけではありません。
また、値下がりといっても、その水準は依然として1000万円以上をキープ。5980/1A-019が1000万円以下だった時期は2019年1月ですが、その時期のボトム価格は898万円。ですから、現在水準は値下がりでも2019年1月と比べると152万円ほど高い状況なのです。
2019年上半期に大幅上昇、同年夏頃から今にかけて値下がり状態。しかし、それでも2018年の年末や2019年の年始と比べると随分高いという状況であるわけですが、このような動きはこの5980/1A-019に限らず、5711/1Aなど他の現行世代ノーチラスでも同様です。
現行世代ノーチラスは、2019年夏以前までは「派手な値上がり」といった印象があった反面、それ以降は「高いのか安いのか」が分かりづらい状況となっているといえます。
なお、今月パテックフィリップの定価が改定されましたが、それによる影響は現在の5980/1A-019相場には無い様子です。
今回の定価改定では、すでに生産終了となっている5980/1Aについて、直接の影響はありません。
しかしながら、他の定価上昇モデルからの波及効果がある場合もあるかもしれないため、将来的に今の水準が「安かった」となる可能性は無いというわけではないのが面白いところだといえます。