パテックフィリップの年次カレンダーは、2000年代中盤頃からラインナップ数が増えていった傾向がありますが、2006年には小窓でカレンダーを表示するデザインが登場しています。
その際出たのが5396Gですが、新たな年次カレンダーの幕開けという印象だったといえます。
このモデル登場以前にも、小窓でカレンダーを表す年次カレンダーは存在していたのですが、それは、希少な限定モデルの5125。これは、ドイツの販売店WEMPEの125周年を記念して作られたモデルですが、永久カレンダーの名作3448などを参考にしたようであります。
5396が出た際、その文字盤デザインは1930年代のカラトラバ風のものが採用されたため、WEMPEとは異なる雰囲気でしたが、後にWEMPEに近いデザインの文字盤がデビュー。それがこの5396G-011なのですが、2010年のデビューから2017年頃まで「高くて人気なパテックフィリップ」という印象があったように思います。
2016年7月の段階で、5396G-011は388万円という水準だったのですが、当時ノーチラスの5711/1A-010は300万円前後といったところ。5396G-011はすごく高いモデルという感覚があったのです。
しかしながら、ここ近頃ではノーチラスと価格序列がまったくもって逆転。5396G-011と比較できないほどノーチラスは高くなってしまいました。
それに加えて、5396G-011は2018年の段階で値下がり傾向となっており、ノーチラスとは逆の値動きとなっていたのです。
とはいえ、目立って値下がりしたのは2018年11月ぐらいといったところで、それ以外の時期については「あまり大きく変動しない」といったところだといえます。
では、現在水準はどういったところなのかというと、385万円というボトム価格なのですが、これは2019年9月と全く同じであるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年9月 の安値 |
2020年10月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
年次カレンダー 5396G-011 |
中古 | 1年 1ヶ月 |
¥3,850,000 | ¥3,850,000 | 0 | 100.00% |
なお、この5396G-011先にお伝えしたように、2016年7月の段階でも388万円ですから、4年前と比較しても「ほぼ変わっていない」ということになります。
ちなみに、2017年9月時点の水準は380万円。この時、2016年7月と比べてやや値下がりしたものの、そこまで大きく変わっていなかったといえます。
ですから、この5396G-011は、この4年間においてほぼ中古水準が変わっていないわけです。
2016年7月と現在とでは、大きく値動きするモデルが多々あるという印象があり、実際今、2016年の水準を見たならば、多くのモデルに対して「安い!」と思うことでしょう。
しかしながら、この5396G-011は変動していないため、不思議なお得感を感じるかもしれません。
2016年と比べても、あまり値動きしていないというモデルはあるにはあるのですが、5396G-011のように、数年前まで「高くて人気」と思われていたようなモデルでの事例は稀だといえます。