年次カレンダーというアイテムは、かつてノーチラスとは無縁と思われていましたが、今ではノーチラスに当たり前にラインナップされている印象があります。
とはいうものの、「ノーチラス=3針」といったイメージもまだ強く、時期によっては3針のほうが人気ということも珍しくありません。
特に、2018年にはそういったことが顕著で、この5726/1A-010は5711/1A-010よりも安い水準となっていたのです。
その際、5726/1A-010は約538万円だったのですが、その価格でもすぐに売れるといった様子はなく、「3針よりも不人気」といった感覚がありました。
けれども、そんな5726/1A-010は2018年の年末頃から異なる様子となっていきます。
3針に対して「年次カレンダーの強さ」を見せつけるかのように値上がりしていった結果、2019年7月にはついに1000万円以上という水準にまで到達。
5726/1A-010は2018年6月の段階で約538万円でしたが、2019年7月水準は約1221万円に達していたのです。
その頃、この年次カレンダーに限らずノーチラスは全体的に上昇傾向といった様子がありましたが、年次カレンダーの1000万円以上という水準はインパクトがあったといえます。
しかし、そういった凄さを見せつけられたかと思ったのもつかの間、その後は全体的な下落トレンドに伴い、5726/1A-010も値下がり傾向となってしまいます。
そして、その後も緊急事態宣言に伴う再度の下落トレンドといった様子となっていったわけで、5726/1A-010もさらに値下がりしていた様子があります。
ただ、2020年7月頃からは、そういった時期に下落していたモデルが再度上昇傾向となっているため、5726/1A-010も再び上昇となっていても不思議ではありません。
けれども、5726/1A-010は、今でも値下がりが続いている状況。現在水準は、緊急事態宣言真っ只中だった2020年5月より、90万円も安い状況となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年5月 の安値 |
2020年10月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ノーチラス 5726/1A-010 |
中古 | 0年 5ヶ月 |
¥9,900,000 | ¥9,000,000 | -900,000 | 90.91% |
5726/1A-010は値下がり状態が続いている状況であるわけですが、こういった動きは他のノーチラスにも見られます。
その筆頭といえるのが、クロノグラフの5980/1Aなのですが、文字盤色に関係なく全体的に値下がりしている傾向です。
5980/1Aも、この5726/1Aも、2019年に「1000万円以上になったノーチラス」でありましたが、それらが今、いずれも値下がり状態というのは興味深い現象だといえます。
ただ、5980/1Aのほうは値下がりといっても1000万円以下になっていない反面、この5726/1A-010は5月の段階で1000万円を割った状態。そして、今やそのボトム価格は900万円となっているわけで、1000万円を100万円下回っている状況となっています。