ノーチラスの3800/1Aと同じ世代に該当するロイヤルオークがこの14790STですが、2000年代前半頃の新品実勢価格は約55万円といったところでした。
当時、ノーチラス3800/1A-001(黒文字盤)は約90万円だったわけで、同じ雲上スポーツながらノーチラスより随分安価な価格帯に位置していたといえます。
とはいうものの、オーバーシーズもロイヤルオークと同じような水準だったため、「ロイヤルオークが安い」というよりは「アクアノートも含め、パテックフィリップが高い」という印象でした。
ただし、当時の印象としてロイヤルオークは決して安いという感覚はなく、50万円台という価格帯も「さすが高級モデル」といったイメージだったいえます。
そんなロイヤルオークの14790ですが、近年ではノーチラスの3800/1Aほどの知名度はなく、「よく分からない時代のロイヤルオーク」と思われているようなふしがあったといえるかもしれません。
そういったことからか、この14790は最近まで、同じロイヤルオークの15400STなどと比べても、あまり目立った値動きとはなっていなかったのです。
ロイヤルオークにとって転換点といえた時代が2018年なのですが、その年から3針を中心に目立った上昇をするようになった印象があります。
2018年において、特に分かりやすく値動きしていたのは15400STで、1月頃から数十万円単位の上昇となっていた様子がありました。ただ、それに対して14790は15400ほど目立った動きとはなっておらず、2018年の動きは、2017年との比較で9万円程度の上昇にとどまっていました。
そんな14790ですが、今年2020年から値動きが活発するようになった印象で、8月には白文字盤の14790ST.OO.0789ST.10が160万円台になった様子をお伝えしています。この白文字盤は、2018年8月水準が135万円だったのに対し、2020年8月水準は約167万円。2年間で約32万円の上昇だったわけです。
さて、そんな14790ST.OO.0789ST.08ですが、また派手な値動きしている状況となっています。
今回目立った動きとなっているのは、青文字盤の14790ST.OO.0789ST.08。青文字盤といえば、15400STなどでも抜きん出て高いというイメージがありますが、この14790の現在水準もそういった様子となっています。
では、現在水準はどういったところかというと、なんと258万円。これは2018年9月水準に対して、130万円ほどの上昇であるのですが、その250万円台という価格帯も「かなりな変化を遂げた」いえるでしょう。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年9月 の安値 |
2020年10月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オーデマピゲ
ロイヤルオーク 14790ST.OO.0789ST.08 |
中古 | 2年 1ヶ月 |
¥1,279,800 | ¥2,580,000 | 1,300,200 | 201.59% |
2020年といえば、緊急事態宣言の影響により4月5月は目立った下落トレンドとなっていましたが、7月頃からロレックスを中心に値上がり傾向となるモデルを見かけるようになっています。
そして、ロイヤルオークについても、3針は特にそういった傾向が強いと感じ、この数ヶ月において、多くのモデルが過去最高値更新といったような水準に上昇している様子があるのです。
特に評価されているのは青文字盤だといえますが、15400STのそれは現在400万円以上という状況。ブティック限定で数が少ないため、以前から15400STの中で抜きん出て高い傾向がありましたが、今や15202に近いほど高くなっているわけです。
この14790ST.OO.0789ST.08が250万円台になったのは驚きでありますが、近頃におけるロイヤルオーク事情からすると、なんら違和感ない動きといえます。
それと同時に、この14790ST.OO.0789ST.08含め、ロイヤルオークは「やっと元祖雲上スポーツ」の強さを見せつけている状況だと感じます。とはいえ、この250万円台という14790ST水準は、まだまだノーチラスの3800/1Aには遠いため、今後どうなっていくのか楽しみでもあるといえるでしょう。