腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

初代コンビの評価、ノーチラス3700/1JA

2020年10月20日更新
パテックフィリップのノーチラス3700/1JAについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年1月の安値と2020年10月の安値を比較し現在相場を考察。この2年9ヶ月での変動は¥5,940,000だった。

ノーチラス 3700/1JAについての考察(2020年10月)

ノーチラスといえば、ここ3年ぐらいの間でデイトナのライバル」といえるほどの存在感となりましたが、その初代である3700は中古市場で見かけることは少なく、まさに幻のモデルという印象があります。

筆者が初めてノーチラスを購入したのは2002年でありますが、ノーチラスが不人気だった当時でも3700はあまり見かけることがなく、入手難易度が高い一本だった記憶があります。

そんな3700ですが、SSモデルについては数年前の段階から1000万円以上という水準になっていました。

その一方で、コンビモデルとなるとその相場はそれほど高くなく、2018年1月において324万円という水準。当時SSは700万円台だったため、半値程度といえる状況だったのです。

そんなコンビの3700ですが、今、中古が出現している状況となっています。ここのところの登場頻度は1年に1本程度。SSやYG含めた3700全体としても1年に2本ぐらいといったところだといえます。

では現在、この3700コンビモデルはどういった水準になっているかというと、なんと918万円という状況。これは、前回お伝えした2018年1月水準を594万円も上回る価格であるのです。

本記事で参考とした中古腕時計

※広告が含まれる場合があります
パテック・フィリップ ノーチラス ジャンボ 3700/1AJ シャンパン PATEK PHILIPPE 中古メンズ 腕時計 送料無料

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2018年1月
の安値
2020年10月
の安値
変動額 残価率
パテックフィリップ
ノーチラス
3700/1JA
中古 2年
9ヶ月
¥3,240,000 ¥9,180,000 5,940,000 283.33%

2018年1月と今とでは、ノーチラスの相場は大きく変わったといえますから、この3700コンビが300万円台⇒900万円台となったのも、そういったことを考慮すると、意外と驚きには値しないといえます。

実際、2018年水準では、年次カレンダー5726/1A-010約538万円、クロノグラフの5980/1A-014878万円という水準です。

現在、5980/1A-0141100万円以上となっており、5726/1A-010に関しても一時1000万円を超えていました。

ですから、そのような動きを考慮すると3700という初代ノーチラスがこのような値動きとなったのは違和感がなく、むしろ、初代なのに意外と変化していないという印象にもなるかもしれません。

もちろん、これはコンビモデルにおいての評価。ノーチラスでも、デイトナでもコンビ人気は高くないといえるため、価格序列においても、値動き的にもSSやYGモデルよりも弱い傾向があります。

しかし、それでも3700コンビは、2018年1月から2020年10月にかけて「300万円台⇒900万円台」という変化となっているわけで、「初代」という人気要素「コンビ」という不人気要素のバランスを考慮すると、落とし所ともいえる変動額なのかもしれません。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。