マニュファクチュール、クロノグラフといえば、それぞれが高い人気要素でありますが、意外なことにその2つを組み合わせると選択肢はそれほど多くありません。
それに該当するモデルは何かというと、デイトナやノーチラスとなるわけで、現代を象徴するような人気モデルが「マニュファクチュールのクロノグラフ」という要素を持っていることが分かります。
とはいうものの、これらもかつては他社製ムーブメントを使用。意外にも自社製となったのは、そこまで昔のことではありません。
デイトナが自社製になったのは2000年のことですし、ノーチラスに至ってはその6年後の2006年。ノーチラスの場合、これ以前にクロノグラフモデルが無かったものの、ノーチラス以前に存在したパテックフィリップのクロノグラフは自社製ではありませんでした。
それに対して、このゼニスのクロノマスターは、デイトナやノーチラス以前から存在する「自社製クロノグラフ」モデルであります。
また、ゼニスといえばエルプリメロが有名ですが、これは5桁時代のデイトナにも搭載されていたわけで、何かと強い要素だといえるでしょう。
まして、このクロノマスターには、小窓カレンダーやムーンフェイズといったコンプリケーションを思わせる要素が採用されており、その見た目の格好良さは一級だと思われます。
ですから、このモデルの相場は随分高くても不思議ではないとなるところですが、今の水準を見るとデイトナやノーチラスと拍子抜けするほどかけ離れています。
では現在水準はどういったところかというと、なんと約34万円。30万円台でコンプリケーションな見た目のマニュファクチュールクロノグラフが購入可能ということにも驚きを隠せません。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年10月 の安値 |
2020年11月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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ゼニス
クロノマスター 01.0240.410 |
中古 | 3年 1ヶ月 |
¥322,920 | ¥348,000 | 25,080 | 107.77% |
ましてこのクロノマスター、前回お伝えした2017年10月水準と比較しても約2.5万円の上昇に過ぎないわけで、そこまで大きく相場が変わっていないといえます。
ちなみに、2017年より前はどういった水準だったかというと、2016年9月が約31万円、2008年3月が約39万円であるため、長らく30万円台に位置する傾向があるといえるでしょう。
2008年といえばリーマンショックがあった年ですが、3月時点ではまだリーマンショックは起こっておらず、全体的に腕時計が高いと感じた時代でした。
また、2016年といえば値下がりトレンドがあった年ですが、そうはいってもリーマンショック前の2008年、2007年頃と比べると、2016年のほうが高い腕時計が多い印象でした。
このクロノマスターの場合、現在水準よりも2008年3月水準のほうが高く、最も安かったのが2016年というのが面白いといえます。
そのような時期だったり、2020年現在を含め、2008年水準よりも安いクロノマスターはなかなかお得感があるモデルだといえますが、そういったことは「マニュファクチュールのクロノグラフ」という要素を見ても一目瞭然だといえるでしょう。