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現在相場考察

マニア向けの現行世代の評価、モナコCAW211P.FC6356

2020年11月6日更新
のモナコCAW211P.FC6356について斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年11月の安値と2020年11月の安値を比較し現在相場を考察。この3年0ヶ月での変動は¥33,730だった。

モナコ CAW211P.FC6356についての考察(2020年11月)

自社製クロノグラフといえば、デイトナノーチラスがありますが、それらに搭載されているムーブメントの登場は2000年代であります。

それよりも前からあるムーブメントといえば、ETA、レマニア、フレデリックピゲ、ゼニスエルプリメロなどですが、その多くがムーブメント供給メーカーだったといえます。

ですから、自社で腕時計を製造するブランドとして自社製クロノグラフを展開していたのはゼニスぐらいだったわけですが、実はもう1つあったのです。

それが意外にもタグホイヤーであるのですが、現在、主にモナコに搭載されているキャリバー11こそ、タグホイヤーが開発したクロノグラフムーブメントであります。

ただ、キャリバー11タグホイヤーが単体で開発したわけではなく、複数社が共同で開発。また、タグホイヤーは現在までずっとキャリバー11を使い続けていたわけではなく、途中空白期間があった後キャリバー11を復活させたという経緯があるのです。

モナコといえば、1997年に当時の異色シリーズ「Classics」の限定モデルとして復刻されたことがきっかけで、現在まで続くモデルとなりましたが、復活当初はキャリバー11が搭載されていなかったわけです。

キャリバー11を搭載するモデルの登場は、復刻されてから10年以上が経ってからのことなのですが、その際この青文字盤モナコに搭載されました。

他にも限定モデルのシルバーストーンなどに採用されていましたが、キャリバー11を搭載する中心的存在がCAW211P.FC6356だといえるでしょう。

このCAW211P.FC6356、現行世代ということもあって他のモナコと比べて高めなのですが、その中古相場はあまり目立って変わっておらず、3年前から「30万円台後半」という印象があります。

実際、今現在でもボトム価格は約39万円であるため、やはり変わっていないというように感じるのですが、他の個体を見るとすでに40万円台となっているため、じわじわと上がっているような感覚もないわけではありません。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年11月
の安値
2020年11月
の安値
変動額 残価率
タグホイヤー
モナコ
CAW211P.FC6356
中古 3年
0ヶ月
¥362,800 ¥396,530 33,730 109.30%

タグホイヤーの現在における中心的モデルといえば、モナコカレラでありますが、これら2つが1996年、1997年に登場した復刻限定モデルから続いている系譜というのが面白いといえます。

ただ現在、カレラモナコではそのキャラクターにはっきりとした差があり、カレラマス向けであるならば、モナコマニア向けといえるでしょう。

しかし興味深いのは、中古市場においては、カレラのほうが高く、相場も変動する傾向があるという点です。

この3年において、Classics世代のカレラの中古水準は随分変わったといえ、SSは『10万円台⇒30万円台』、YGは『30万円台⇒50万円台』という変化を遂げたといえます。

カレラの場合、Classics時代はマニア向けといった印象でしたが、それより後のモデルはマス向け。対してモナコは、ずっとマニア向けであるため、「ないものねだり」という観点だとカレラのほうが評価されるのでしょう。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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