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現在相場考察

約12年ぶりに10万円台後半という水準、パシャCピンク文字盤W31024M7

2020年11月13日更新
カルティエのパシャCW31024M7について斉藤由貴生が執筆。本記事では2016年7月の安値と2020年11月の安値を比較し現在相場を考察。この4年4ヶ月での変動は2万8600円の値上がりだった。

パシャC W31024M7についての考察(2020年11月)

近頃、カルティエのパシャCが上昇する様子がありますが、そういったことはこのピンク文字盤を見ても分かりやすく感じられる様子です。

ピンク文字盤といっても、パシャCにはいくつかの「ピンク」があるのですが、今回対象としているのは、グリッド柄が施されたサーモンピンクの文字盤です。

これは、パシャCの中では比較的初期のモデルに該当し、年式的には96年97年ぐらいに現行だった世代だと思われます。

同時にグレー文字盤も存在したのですが、いずれもパシャの特徴であるグリッドを文字盤の柄として採用。また、文字盤にはサンレイのような加工が施されており、比較的手間のかかった文字盤だといえるでしょう。

ちなみに、このピンク&グレー文字盤、すでに生産終了となっていたと思われる2001年頃に、複数の並行店において不思議と新品が出回ったということがありました。

その際、どちらも「レア物」といったキャラクターで販売され、当時現行だった白文字盤ビッグデイトなどよりも若干高い価格で売られていたことを筆者は目にした記憶があります。

なお、サーモンピンク文字盤の特徴ですが、他のピンク文字盤と違って「男性用」という要素がある点です。

他のピンク文字盤の場合、登場した時期においてパシャC自体のキャラクターが女性向けとなっていましたが、このサーモンピンクの時代は男性用とされていたといえます。

実際、90年代後半の自動車専門誌『カーグラフィック』には、この世代のパシャCの広告が掲載されているのですが、他の広告からしても、カーグラフィックという媒体からしても「男性へのアピール」だったといえるわけです。

このサーモンピンク文字盤の次の世代が、スモールデイトの黒文字盤などの時代になるのですが、その頃までが「男性用」というキャラクターが強かったといえるでしょう。

そんなパシャCのサーモンピンク文字盤ですが、今回久々に17万円台という水準になっている様子。これは久々に評価されたという印象です。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2016年7月
の安値
2020年11月
の安値
変動額 残価率
カルティエ
パシャC
W31024M7
中古 4年
4ヶ月
¥149,600 ¥178,200 28,600 119.12%

リーマンショック以前においてパシャCは、安い個体が18万円程度、全体的に見ると20万円前後といった感覚がありましたが、リーマンショック以降は10万円台前半にまで下落。

時期によってその水準は異なりますが、2015年以降は「だいたい15万円前後」といった感覚だったと思います。

それが現在、17万円台となっているわけですから、約12年ぶりに10万円台後半といった水準になっているといえるわけで、パシャCの相場を長年見つめている筆者としては、かなり「大きな出来事」が起こったと感じているわけです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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