90年代後半という時代において「プレミア価格」ということを人々に認知させた存在こそ、このエクスプローラーだといえますが、当時の14270は、今の「緑サブ」のような存在感だったことはこれまで何度もお伝えしたとおりです。
しかしながら、近年において14270(と114270)は、90年代とは異なるキャラクターとなっており、価格帯がスポーツ系で「最も安い」という位置になっていることに加え、あまり値動きをしないという傾向があるわけです。
以前の記事でも書いたように、当時の様子を知る筆者としては「もっと記事で登場させたい」と思っているわけですが、あまり値動きしないため、1年に1度ぐらいしか記事にできませんでした。
2015年以降の値動きを簡単におさらいするならば、『2015年:30万円台後半 → 2017年:40万円台前半 → 2018年:40万円台後半 → 2019年:50万円台中盤 → 2020年10月:50万円台後半』といったところ。
値動きしていないようで、実はじわじわと動いていたというのが、この5年における14270の動きだったのですが、「数ヶ月で数十万円」という動きはありませんでした。
90年代後半から2000年代中盤頃までの14270(と114270)人気からすると、こういった様子は意外と感じるわけですが、14270がそのようなキャラクターだったといえるのは、すでに10年以上も前のことであるわけで、もはや過去のものともいえます。
しかし今、そんなエクスプローラーにおいて以前とは少し異なる動きがあるのです。
それこそが、短期的な上昇であるのですが、前回お伝えした1ヶ月前と今とでは、はっきり異なる水準となっているのです。
というのも、現在14270のボトム価格(ABランク以上)が約61万円となっているからなのですが、この値動きによって「60万円台」という価格ステージに達したことになります。
ここ5年における14270への感じ方からすると、2019年の「50万円台」という水準も感慨深かったのですが、それが今や60万円台となっているわけで、なかなかドラマがあると感じるわけです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年10月 の安値 |
2020年11月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
エクスプローラー 14270 |
中古 | 0年 1ヶ月 |
¥573,071 | ¥613,800 | 40,729 | 107.11% |
14270が「プレミア価格」といわれた2000年前後といった時代、その「プレミア価格」にも様々な価格帯がありましたが、最も高いと思われたのが60万円という価格でしょう。
14270が60万円程度だったのは1999年頃だったと記憶していますが、2001年1月には約45万円という新品実勢価格にまで落ち着いていました。(当時の定価は税別34.8万円)
ですから、現在の中古水準は、新品を含め、これまで「もっとも高い」と思われていた時期と並ぶことになるわけです。
もちろん、14270はこのような価格帯となっても、他の5桁スポロレと比べると相対的には“高くない”わけですが、過去の相場変遷をたどると、現在水準は「すごくドラマがある」と思います。