エクスプローラーという存在は、ロレックスブームといわれた2000年前後という時代において、「デイトナの次」という価格序列にいましたが、今では「スポーツ系で最も安い」という存在となっています。
定価をベースとした本来の序列では、まさに「今が正しい」といえるわけですから、現在の状況は自然ともいえます。
また、「スポーツ系で最も安い」という序列になってからすでに10年以上が経過しているため、「デイトナの次に高かった」ということは、すでに昔話の域に達しているともいえるでしょう。
しかし、そうはいっても、エクスプローラーの近年の値動きは少々寂しいものがあったといえます。
スポーツ系で最も安い序列というのは変わらないにしても、以前の実績を考慮すると「もう少し値動きしても良いのではないか」と筆者は個人的に感じていました。
14270や114270の記事でも書いたように、本当は数ヶ月に一度ぐらいのペースで記事化したいほど「値動きを参考にしたい腕時計」だと思っていたエクスプローラーですが、あまり動かないため、記事登場頻度が1年に一度程度だったのです。
けれども近頃、そのような様子が変わりつつあるような雰囲気となっているのです。
なぜなら、全体的に「価格ステージ」が変化しているからなのですが、先日の記事で取り上げた14270は、『50万円台⇒60万円台』というように変わっています。
そしてそういった価格ステージの変化は、14270に限らず6桁世代でも起きているのです。
214270といえば、2010年に登場した前期文字盤と、2016年に登場した現行文字盤がありますが、中古相場が安いのは前期文字盤のほうです。
前期文字盤は、今年の7月に60万円台後半となっていたのですが、これは2019年7月水準と比べて7万円の上昇という変化でした。
ただ、7月の様子ではボトム価格は70万円を超えることがなかったため、価格ステージは「60万円台」から変わらなかったのです。
214270は2016年から約3年にわたって50万円台にいましたが、2019年7月に60万円台となっていました。
ですから、2020年7月の動きは、『60万円台前半⇒後半』という変化だったのですが、これは以前よりも動くようになったといえました。
そして、そんな214270は今、約70万円というボトム価格に達したため、ついに『60万円台⇒70万円台』という価格ステージの変化となったわけです。
7月水準からの変動額自体は5000円程度でありますが、それ以上に「70万円台になった」ということが大きいと思うのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年7月 の安値 |
2020年11月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
エクスプローラー (前期文字盤) 214270 |
中古 | 0年 4ヶ月 |
¥698,500 | ¥704,000 | 5,500 | 100.79% |
先のように、214270は2016年から2019年までの3年程度、「50万円台」という水準に位置し続けたわけですが、今回「70万円台」となったことより、「60万円台」だったのは2019年7月から2020年11月頃までということになります。
つまり、「50万円台⇒60万円台」となるには約3年かかったのが、「60万円台⇒70万円台」では、その期間が1年4ヶ月にまで短縮されたことになるわけで、以前よりも値動きが活発になったといえるわけです。