114200というリファレンスは、2007年に6桁世代のエアキングとしてデビューしましたが、2014年頃に「エアキング」の文字が取れた後、2015年に新しい「オイスターパーペチュアル」としてデビューした経緯があります。
従来、エアキングとオイスターパーペチュアルは、いずれも非スポーツ系のエントリーモデルといった存在でしたが、5桁世代ではオイスターパーペチュアルのSSモデルが存在せず、エアキング=SS、オイスターパーペチュアル=コンビ以上という棲み分けがされていました。
それが6桁世代になってからは、116000がデビューするなどした結果、エアキングとオイスターパーペチュアルの差が分かりづらくなり、2015年前後という時代にキャラクターが整理されたのです。
2016年にエアキングはスポーツ系となり、両者のキャラクターがはっきりすることとなったのですが、2015年にリニューアルされたオイスターパーペチュアルの文字盤デザインは、これまでの「エントリー」に対するイメージとは全く異なる“特徴ある見た目”が採用され、注目度の高いモデルへと変化を遂げたといえます。
特に目立っていたのが114300のダークロジウム文字盤ですが、これは「有名人気モデル」という存在感になりました。従来、エントリーレベルのモデルでは、そういった「スター」のような存在がなかったため、2015年デビューのオイスターパーペチュアルは大成功したといえるでしょう。
また、その他の文字盤色に関しても、評判が高いものが多々あったわけですが、ダークロジウム文字盤のように「有名」とはならなかったため、目立って上昇といった様子ではありませんでした。
それでも、その中古水準はなかなか高かったといえ、それなりの需要があったと思われます。
2015年デビューのオイスターパーペチュアルの中で、筆者は個人的に114200のオリーブグリーン文字盤が好きなのですが、以前の記事で取り上げた際の水準は約42万円という中古ボトム価格でした。
デビュー翌年、2016年4月の新品実勢価格(2社平均値)は約45万円だったため、「デビュー時の新品実勢価格よりも、後の中古相場のほうが高い」とまではならなかったものの、2018年の中古相場はそれなりの水準を維持していたと思います。
そんな2015年デビューのオイスターパーペチュアルですが、今年9月の新作発表によって世代交代されることが判明。すると、生産終了となった2015年デビューモデルの多くが目立って上昇し、114300ダークロジウム文字盤に限らず、全体的に高くなったのです。
では、この114200緑文字盤はどうかというと、やはりこれも分かりやすく値上がりしている様子です。
現在のボトム価格は約56万円という水準なのですが、これは2018年8月よも14万円程高い状況。また、この動きによって、2016年4月の新品実勢価格よりも2020年11月の中古ボトム価格のほうが11万円程高いということにもなっています。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年8月 の安値 |
2020年11月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
オイスターパーペチュアル オリーブグリーン文字盤 114200 |
中古 | 2年 3ヶ月 |
¥421,000 | ¥565,140 | 144,140 | 134.24% |
ですから、この114200オリーブグリーン文字盤は、ついに「デビュー時の新品実勢価格よりも、その後の中古相場のほうが高い」ということを達成したことになるわけですが、エントリーレベルのモデルでこのようなことが起きるというのはかなり珍しいことです。
また、このオリーブグリーン文字盤は、114300ダークロジウム文字盤のような「人気モデル」というキャラクターでもなかったわけですから、「普通のエントリーモデルが目立って上昇」という事態でもあるわけです。
ましてこの値動きは、リーマンショックからアベノミクスのように「安い時期⇒高い時期」という期間に起こったのではなく、「高い時期⇒高い時期」という期間に発生。さらに、「かなり前の新品価格よりも高くなった」わけではなく、「5年ぐらい前の新品価格と比べて高い」という状況であるわけです。
ですからこれは前代未聞の出来事といえるわけで、「凄い」ことだと思うのです。