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現在相場考察

凄い状況、オイスターパーペチュアル114200オリーブグリーン文字盤

2020年11月18日更新
ロレックスのオイスターパーペチュアル114200について斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年8月の安値と2020年11月の安値を比較し現在相場を考察。この2年3ヶ月での変動は¥144,140だった。

オイスターパーペチュアル オリーブグリーン文字盤 114200についての考察(2020年11月)

114200というリファレンスは、2007年に6桁世代のエアキングとしてデビューしましたが、2014年頃に「エアキング」の文字が取れた後、2015年に新しい「オイスターパーペチュアルとしてデビューした経緯があります。

従来、エアキングオイスターパーペチュアルは、いずれもスポーツ系のエントリーモデルといった存在でしたが、5桁世代ではオイスターパーペチュアルのSSモデルが存在せず、エアキング=SSオイスターパーペチュアル=コンビ以上という棲み分けがされていました。

それが6桁世代になってからは、116000がデビューするなどした結果、エアキングオイスターパーペチュアルの差が分かりづらくなり、2015年前後という時代にキャラクターが整理されたのです。

2016年にエアキングスポーツ系となり、両者のキャラクターがはっきりすることとなったのですが、2015年にリニューアルされたオイスターパーペチュアルの文字盤デザインは、これまでの「エントリー」に対するイメージとは全く異なる“特徴ある見た目”が採用され、注目度の高いモデルへと変化を遂げたといえます。

特に目立っていたのが114300のダークロジウム文字盤ですが、これは「有名人気モデル」という存在感になりました。従来、エントリーレベルのモデルでは、そういった「スター」のような存在がなかったため、2015年デビューのオイスターパーペチュアル大成功したといえるでしょう。

また、その他の文字盤色に関しても、評判が高いものが多々あったわけですが、ダークロジウム文字盤のように「有名」とはならなかったため、目立って上昇といった様子ではありませんでした。

それでも、その中古水準はなかなか高かったといえ、それなりの需要があったと思われます。

2015年デビューのオイスターパーペチュアルの中で、筆者は個人的に114200オリーブグリーン文字盤が好きなのですが、以前の記事で取り上げた際の水準は約42万円という中古ボトム価格でした。

デビュー翌年、2016年4月の新品実勢価格(2社平均値)は約45万円だったため、「デビュー時の新品実勢価格よりも、後の中古相場のほうが高い」とまではならなかったものの、2018年の中古相場はそれなりの水準を維持していたと思います。

そんな2015年デビューのオイスターパーペチュアルですが、今年9月の新作発表によって世代交代されることが判明。すると、生産終了となった2015年デビューモデルの多くが目立って上昇し、114300ダークロジウム文字盤に限らず、全体的に高くなったのです。

では、この114200緑文字盤はどうかというと、やはりこれも分かりやすく値上がりしている様子です。

現在のボトム価格は約56万円という水準なのですが、これは2018年8月よも14万円程高い状況。また、この動きによって、2016年4月の新品実勢価格よりも2020年11月の中古ボトム価格のほうが11万円程高いということにもなっています。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2018年8月
の安値
2020年11月
の安値
変動額 残価率
ロレックス
オイスターパーペチュアル
オリーブグリーン文字盤
114200
中古 2年
3ヶ月
¥421,000 ¥565,140 144,140 134.24%

ですから、この114200オリーブグリーン文字盤は、ついに「デビュー時の新品実勢価格よりも、その後の中古相場のほうが高い」ということを達成したことになるわけですが、エントリーレベルのモデルでこのようなことが起きるというのはかなり珍しいことです。

また、このオリーブグリーン文字盤は、114300ダークロジウム文字盤のような「人気モデル」というキャラクターでもなかったわけですから、「普通のエントリーモデルが目立って上昇」という事態でもあるわけです。

ましてこの値動きは、リーマンショックからアベノミクスのように「安い時期⇒高い時期」という期間に起こったのではなく、「高い時期⇒高い時期」という期間に発生。さらに、「かなり前の新品価格よりも高くなった」わけではなく、「5年ぐらい前の新品価格と比べて高い」という状況であるわけです。

ですからこれは前代未聞の出来事といえるわけで、「凄い」ことだと思うのです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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