その美しいムーブメントゆえ、機械式時計好きを魅了し続けるブランド「ランゲ&ゾーネ」。ドイツ創業の時計ブランドとして、最高の素材を使用し、職人の手作業で組み上げられる至高のムーブメントは世界一とも称されています。また、ランゲ&ゾーネといえば、ダイヤルの大きさやインデックスの長さと太さ、長短針やアウトサイズデイトの大きさなど、黄金比で計算されている時計が多く、その造形の美しさに惹き込まれる方も少なくないのではないでしょうか。今回は、そんなランゲ&ゾーネのおすすめ現行モデルを紹介したいと思います。
おすすめモデル① オデュッセウス 363.179
2019年発表、ランゲ初のステンレスモデル、オデュッセウス。現在まで一部のモデルを除き、PT(プラチナ)かゴールドのケースで時計を発表していた同ブランドが、スタンダードモデルとして初めてSS(ステンレススチール)をケースに採用したモデルです。ランゲ&ゾーネ特有の美しいケースライン、ダークブルー文字盤と左右対称に配されたアウトサイズデイズが非常にカッコイイです。プレミアの付くことが少ないランゲ&ゾーネで、現状唯一といっていいほど付加価値の付いているモデルなのではないでしょうか。グレーダイヤルが採用されたWG(ホワイトゴールド)モデル(ラバー仕様&カーフ)もあります。
参考定価 27,300€
ランゲ&ゾーネと言うと、真っ先に思い浮かぶモデルと言えば、やはりこのランゲ1なのではないでしょうか。こちらは2015年に発表された「ランゲ1」で、これまでよりベゼルとラグがやや小さくなり、新型ムーブメント「Cal.L121.1」を搭載したモデルです。特徴でもある「アウトサイズデイト」も、ロレックスのデイトジャストのように日付表示が、一瞬で切り替わるようになっています。黄金比を形成している文字盤、上品な配色が落ち着いた大人の印象を与えてくれます。現行モデルのランゲ1は6モデルありますが、著者個人的にはPG(ピンクゴールド)ケース×シルバーか、WG(ホワイトゴールド)ケース×ディープブルーの組み合わせが好きです。
参考定価 33,000€
おすすめモデル③ ランゲ1 デイマティック 320.028
こちらは2017年にランゲ1、サクソニア、サクソニア・オートマティックとともにブルー・シリーズとして発表されたデイマティックです。各表示およびアウトサイズデイトが重ならないようオフセンターに配置したデザインはランゲ1と同様ですが、ランゲ1を鏡に映したように左右非対称となっていて、パワーリザーブ表示が、レトログラード式の曜日表示となっています。自動巻という点も日常使いに適していて、手巻のランゲ1とはまた異なる魅力がありますね。
参考定価 39,000€
【出典】ランゲ&ゾーネ公式サイト
おすすめモデル④ ダトグラフ アップ/ダウン 405.035
1999年に発表されたA.ランゲ&ゾーネを代表するクロノグラフ「ダトグラフ」。2012年、パワーリザーブ表示機能が追加され、「ダトグラフ アップ/ダウン」の名でリニューアルをしています。ランゲ&ゾーネが独自開発したアウトサイズデイトやゼロリセット機能付きフライバッククロノグラフ機能が搭載されています。ダトグラフといえば、機械式時計の中でも最上に美しいムーブメントと称される、そのキャリバー「L951.6」が特徴です。
参考定価 87,100€
おすすめモデル⑤ サクソニア 219.028
ブランド創始者のフェルディナント・アドルフ・ランゲの故郷で、ザクセン州を意味するサクソニア。こちらは現在販売されている手巻モデルですが、従来モデルのケース径37mmから35mmへとサイズダウンしています。主張しすぎないこのサイズ感がしっくりくる方もいるのではないでしょうか。2針にスモールセコンドのみの無駄を省いたデザインは美しいの一言です。文字盤はシルバー、グレー、ディープブルー、ホワイトシェルがあります。
参考定価 14,800€
おすすめモデル⑥ サクソニア アニュアルカレンダー 330.032
ダブルディスクのアウトサイズデイト、月・曜日、ムーンフェイズ機能を搭載した年次カレンダーモデルです。こちらのモデルが、ランゲとしては初のアニュアルカレンダー搭載モデルとなっています。38.5mmケースにランゲ&ゾーネの技術が凝縮されており、PG(ピンクゴールド)ケースにシルバー文字盤が洗練された上品さを感じます。シースルーバックから、手作業で施された彫刻の美しいムーブメントを堪能することができ、調整プッシャーでアウトサイズデイト、曜日、月およびムーンフェイズを簡単に合わせることができる点も良いですね。
参考定価 47,000€
おすすめモデル⑦ サクソニア ムーンフェイズ 384.029
2016年の新作、プッシュボタンで日付変更操作が可能なサクソニア ムーンフェイズ。ダイヤル6時位置にあるムーンフェイズは、122.6年に一度しか修正の必要のない、ランゲらしい高精度を実現しています。ケースの素材はWG(ホワイトゴールド)とPG(ピンクゴールド)がありますが、ムーンディスクは各々のケース素材に合わせた色となっていて、そのムーンフェイズの美しさは形容しがたいです。細部にいたるまで完成度を追求されたモデルだと思います。
参考定価 30,400€
【出典】ランゲ&ゾーネ公式サイト
おすすめモデル⑧ サクソニア フラッハ 205.086
2018年に発表されたこちらは、WG(ホワイトゴールド)製ダイヤルにコッパーブルーのゴールドストーン(紫金石)の微細な結晶を重ねてあるダイヤルを採用したサクソニアです。ゴールドストーン(紫金石)とは、溶かしたガラスの中に亜酸化銅の粉末を混ぜ込んで作られた人口の砂金石で、起源は17世紀のヴェネツィアに遡るようです。厚さわずか2.9mmの自社製手巻きキャリバーL093.1は、コンパクトな構造にもかかわらず、最長72時間のパワーリザーブを備えています。その夜の星空を思わせる美しい文字盤とシンプルな二針の美しさは、ランゲ&ゾーネの美を体現していると思います。
参考定価 21,700€
【出典】ランゲ&ゾーネ公式サイト
まとめ
いかがでしたでしょうか。私が今回取り上げたモデル以外にも、ハニーゴールドカラーのモデルや、2020年新作のタイムゾーンなど、魅力あるモデルが数多く存在します。ランゲ&ゾーネというと、簡単には手が出ない価格帯の時計も少なくないですが、中古市場となると、価格もある程度手の出しやすいところになることもあります。ランゲ&ゾーネを狙っている方は、是非程度の良い中古品を探してみることをオススメいたします。
コミットTVでもランゲ&ゾーネ(9:43秒頃~)を紹介しておりますので、是非ご欄ください!
https://youtu.be/qB761VF92Pk
Text By Yoichiro Yamashita