2016年頃まで、ランゲ&ゾーネの中古相場は、なかなか凄いといえる状況でした。
そのとき、主に動いていたのはランゲ1ですが、他のモデルもそれなりに動いていた様子があったのです。
特に凄いと感じられたのは2015年から2016年の春頃までですが、その際ランゲ1(YG)は260万円台、ダトグラフに関しては530万円台という状況でした。
2016年という時期は、今からたったの4年前でありますが、改めてその時代の中古腕時計事情を思い返してみると「当時の500万円台は“かなり高い”と感じられる水準」だったと思います。
2020年現在の感覚でいうならば、2016年の「500万円台」は、今の「1000万円以上」というイメージだったのではないでしょうか。
また、2016年時点の500万円台という水準では、派手な変動する腕時計がほぼ無い状況でした。
今では、1000万円以上でも「数ヶ月で数十万円(数百万円)」という値動きをするモデルがありますが、2016年当時ではそのような値動きをする価格帯は、ざっくり300万円ぐらいまでという感覚があったといえます。
そういった状況のなか、500万円台という水準だったダトグラフですが、当時の印象としては500万円台にしては動くという感覚もあったといえます。
なぜならこの時計、2006年に348万円だったのが2016年3月に約537万円となっていたからです。変動する期間は「数ヶ月」というわけではなかったものの、その変動額は約189万円というボリュームでした。
ちなみに、2006年という時期は、全体的に腕時計が高いといえたため、『2006年対2016年で約189万円の上昇』ということは「凄い」といえたわけです。
そのようなことから、2016年においてこのダトグラフは、凄い腕時計という印象があったわけで、他のランゲ&ゾーネとともに注目度の高い1本という感覚があったように感じます。
しかし、そんなランゲ&ゾーネは2017年以降、あまり値動きしない傾向となってしまったのです。
2017年にはランゲ1が200万円以下にまで値下がり。ダトグラフも2018年に480万円に下落しています。
そして、それ以降、特に目立った変動がないため、この3年ぐらいの間においてランゲ&ゾーネは以前よりも目立たなくなってしまったという印象になります。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年7月 の安値 |
2020年11月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ランゲ&ゾーネ
ダトグラフ 403.032 |
中古 | 2年 4ヶ月 |
¥4,800,000 | ¥4,600,000 | -200,000 | 95.83% |
それはダトグラフの現在水準からも感じるのですが、この403.032の現在ボトム価格は2018年7月水準よりも低いのです。
2018年7月の480万円は、2016年3月の約537万円と比べて約57万円の値下がり状態でしたが、現在水準は2018年7月よりもさらに20万円安いわけです。
2016年と比べても、2018年と比べても、全体的な相場は「高くなった」という印象がありますが、ランゲ&ゾーネは逆。このダトグラフに限らず、2016年水準よりも安いモデルがそれなりにある状況であるのです。