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現在相場考察

600万円台回復、アクアノート5164A-001

2020年11月25日更新
パテックフィリップのアクアノートについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2020年8月の安値と2020年11月の安値を比較し現在相場を考察。この3ヶ月での変動は24万9050円の値上がりだった。

アクアノート 5164A-001についての考察(2020年11月)

近年、「最も人気なアクアノート」というポジションに感じられるのがこの5164Aですが、このモデルはノーチラスが派手な変動となっていた2017年の段階から値動きする傾向があります。

従来、アクアノートの人気要素は「ブレスレット」でしたが、5164Aはラバーベルト仕様。アクアノートにおける「人気基準」を変化させた印象のあるモデルです。

そういったことは、近年特に感じられるようになってきており、3針においてもラバーベルトが高くなっている様子があります。

時期やモデルによっても違いますが、「ブレスレットよりもラバーベルトのほうが高い」ということも珍しくありません。

とはいえ、近頃ではそのような状況を打破するかのように5167/1Aが値上がり。先日記事でお伝えしたときのボトム価格は約448万円でしたが、今ではそれよりも高くなっている様子があります。

なお、これまでアクアノートの値動きといえば、ノーチラスに遠慮するかのように「ノーチラスよりも地味」という印象がありましたが、今ではアクアノートだけが値動きしている」ともいえる様子。

ノーチラス5711/1A青文字盤は緊急事態宣言時からほぼ変わっていないのに対し、アクアノートは現行世代も値上がりしているのです。

特にこれまでノーチラスと比べて動かない印象のあった3針モデルは、過去最高値といえる水準に達しており、そのような様子を見ると「トレンドの変化」なのではと思ってしまいます。

では、以前から値動きしていた傾向があるこの5164Aはどうかというと、こちらもきちんと上昇している様子。

現在ボトム価格は、約604万円であるのですが、このことによって「600万円台回復」となっています。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2020年8月
の安値
2020年11月
の安値
変動額 残価率
パテックフィリップ
アクアノート
5164A-001
中古 0年
3ヶ月
¥5,798,750 ¥6,047,800 249,050 104.29%

しかしながら、この5164A600万円台になっても「過去最高値」とはなりません。

なぜなら、5164Aは2019年上半期に700万円台に達していたからです。

現在水準は、8月と比べて25万円近く値上がりしているものの、2019年上半期水準には遠く及ばないわけです。

この5164Aをどう評価するかは、なかなか興味深いところだといえます。

簡単に整理すると、

  • 過去最高値状態の3針アクアノート
  • 緊急事態宣言時とほぼ変化ない5711ノーチラス
  • 回復はしているが2019年水準に及ばない5164A
  • となるわけで、3針アクアノートや5711と比べると、評価がしづらいといえます。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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