2000年前後という時代に現行モデルだったレベルソデュオの270.2.54。
今では、レベルソというモデルのラインナップが多く、その全体像を把握するのは簡単ではありませんが、このレベルソデュオが現行だった時代のラインナップはもっとシンプルでした。
もちろん、ミニッツリピーターなどの複雑機構モデルなどを入れると、そのラインナップは多いため、全体像を把握するのは困難でありますが、2針といったようなシンプルなモデルの全体像は掴みやすかったわけです。
このレベルソデュオは、ケースを返した裏側にGMT時間が表示されるという仕掛けがあるため、複雑機構という見方もできるでしょうが、「レベルソデュオまでが2針的キャラクター」という認識が分かりやすいわけです。
実際、当時の印象としても、価格帯的な意味でも、レベルソデュオは2針最高峰というイメージだったといえます。
安い順に、『レベルソクラシック＜ビッグレベルソ＜レベルソデュオ』という序列だったわけですが、ビッグレベルソとデュオはサイズが同等です。
ビッグとデュオの差は、裏側に第二の文字盤があるか否かという差ですが、実は表側の文字盤にも「差」がつけられています。
ビッグレベルソだと通常文字盤なのに対し、デュオとなるとギョーシェ仕様の文字盤になるわけで、GMT機能が欲しくなくとも、見た目的にデュオが好きとう方がそれなりにいるわけです。
そういったことからか、レベルソデュオの中古相場はそれなりに高く、特にK18となると抜きん出て高い傾向がありました。
中でもRGは最も高い傾向で、例えば、ビッグのRGが60万円台だったならば、デュオのYGは70万円台、RGは90万円台という序列があるわけです。
そんなRGのレベルソデュオ、270.2.54ですが、2018年1月時点で約90万円だったのですが、現在水準は99万円という状況になっています。
これだけ見ると、この3年近くの間で「そこそこの値上がりをした」という印象になるのですが、実はこの期間、270.2.54には難しい事情があったといえます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年1月 の安値 |
2020年12月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
|
ジャガールクルト
レベルソデュオ 270.2.54 |
中古 | 2年 11ヶ月 |
¥901,800 | ¥990,000 | 88,200 | 109.78% |
それはどういったことかという、相場が分かりづらかったのです。
この270.2.54は、2018年1月に約90万円という状況をお伝えして以降、その中古ボトム価格が70万円台になったかと思いきや、90万円台に戻るといったように、分かりづらい状況へと変化しました。
そのため、「これがボトム」ということが分かりづらく、記事にしづらかったため、結果的に3年近くの間お伝えすることができなかったのです。
この3年ぐらいの間において、この270.2.54の相場は肌感覚的には87万円程度（あくまで感覚値）といった印象でした。
しかしそれが、今年の春夏頃から、「高くなった」という印象になり、その水準は100万円前後といった感覚となっていました。
ただ、先のように、この270.2.54はここ3年近くにおいて、いきなり安い個体が出る傾向もあったため、100万円前後となってからも、様子を見る必要があると思ったのです。
そして、今回、ようやくこの270.2.54を記事でお伝えすることができたわけですが、その理由こそ、270.2.54の90万円台後半という水準がある程度安定していると判断できるからです。
その結果、270.2.54は久々に高くなったといえる状況となっています。
この270.2.54は、2016年9月に約97万円となって以降、2018年1月に若干の値下がりとなり、それ以降は相場が安定しない傾向がありました。
それが今、相場が安定している傾向かつ、2016年9月以上の水準となっているわけですから、270.2.54は久々に元気な様子を見せたといえるでしょう。
