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現在相場考察

2017年から値動きしていない、エアキング114234

2020年12月15日更新
ロレックスのエアキング114234について斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年6月の安値と2020年12月の安値を比較し現在相場を考察。この3年6ヶ月での変動は¥-10,200だった。

エアキング 114234についての考察(2020年12月)

エアキングといえば、2016年に現行モデルの116900がデビューしましたが、それ以降、“エアキング像”はスポーツモデルとなっているように感じます。

しかしながら、116900がデビューする前のエアキングを改めて思い出してみると、当然スポーツモデルではありません。というよりも、過去数十年に渡ってスポーツモデルではなかったので、今のほうが異例といえる状況だといえます。

とはいうものの、エアキングはすでに2007年の段階で「異例」という状況になっていました。

その頃、エアキング5桁⇒6桁となったのですが、その際面白い変化が起きたのです。

エントリーモデルというキャラクター自体は変わっていなかったものの、2007年デビューモデルには、それまで無かった要素が加わります。

それこそが、「高級要素」であるのですが、6桁世代のラインナップには、WGベゼルモデルが追加。「エントリーなのに高級」という若干矛盾するような構成となったわけです。

そのWGベゼルモデルこそ、114234なのですが、リファレンス末尾が「4」というレアなエアキングであります。

WGベゼルモデルであるわけですから、当然ベゼルはフルーテッド。文字盤を見ると、エアキング特有の“若々しい”印象なのに、ベゼルはデイトジャストのような“渋さ”というのが、114234の面白さだといえます。

また、この銀文字盤、2007年デビューの6桁世代特有の色使いがなされており、バーインデックスが青となっているわけですが、この色使いは2015年デビューのオイスターパーペチュアルとは全く異なるといえます。

このエアキング114234、現在水準は約44万円なのですが、なんとこれ、2017年6月水準とほぼ同じであります。

2017年と2020年との比較では、多くのロレックスが値上がりしているわけで、「2017年から値動きしていないロレックスを探せ」といわれたら難しいといえるでしょう。

そういった意味では、この116234は2017年水準とほぼ同様なわけで、いろいろな意味合いでレアなロレックスだといえるのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年6月
の安値
2020年12月
の安値
変動額 残価率
ロレックス
エアキング
114234
中古 3年
6ヶ月
¥459,000 ¥448,800 -10,200 97.78%

2017年時点において、「過去と比べてあまり値動きしていない」というロレックスはいくつかありましたが、当時それに該当したミルガウス116400GVなどは「2012年頃との比較で値動きが10万円以下」といったところでした。

2012年といえば、リーマンショックの影響がまだ続いていた時代。2017年はその影響が解消され、さらに伸びた時代ですから、その期間において「値動きしない」という存在は珍しかったわけです。

そして、2017年から2020年においても、インパクトのある値上がりが続いていたため、この期間での「値動きしない」というロレックスもまたレア。

ちなみに、5桁デイデイトなどはつい最近まで、2017年との比較であまり動いていませんでしたが、ここのところはK18上昇に伴って動いています。

そういった意味では、2017年と比較して動いていないロレックスを見つけるのはなかなか難しいわけです。

ですから、114234はやっと見つけた「2017年から値動きしていないロレックスといえるかと思います。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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