1996年に復刻モデルとしてデビューしたカレラは、当初は限定モデルというスタートでしたが、好評だったため、後に限定数が解除。そして、今やタグホイヤーの中心を担うほどのキャラクターとなっています。
カレラという存在は1964年からあったわけですが、途中シリーズ廃止となっていたため、60年世代と、現在のモデルとの間には隔たりがあるといえます。
しかしながら、1996年に登場した復刻モデルは1964年版を忠実に再現。このモデルこそが、古き良きカレラと現在のカレラをつなぐ存在ともいえます。
ただ、現代のカレラを見てみると、その雰囲気は1964年モデルとも1996年の復刻モデルとも異なるわけで、むしろ1996年と現行モデルとの間に隔たりがあるようにも感じてしまいます。
そういった意味では、1996年登場のカレラは、コレクター目線では良い時代のモデルだったといえるわけですが、実はこれまであまり評価されていませんでした。
2017年頃までにおけるその相場は、SSが10万円台、YGが30万円台といったところ。どちらも1999年頃と比べても「変わっていない」とすらいえてしまう相場だったのです。
けれども、そんな1996年世代の復刻カレラは2018年頃から特に評価されていきます。
SSは10万円台から20万円台になった後30万円台へと変化。YGも30万円台⇒50万円台となったのです。
とはいえその後、そういった相場はやや安定しない傾向もあり、一時「1つだけ安い個体」が存在するなど、ボトム価格を相場と判断しづらい現象があったのです。
そのようなことがあったため、YGモデルである、このCS3140をお伝えするのも2年ぶりとなってしまったわけですが、現在水準を見ると50万円台が定着したといえる状況です。
2018年9月水準と比べると、6万円近い値下がりではあるものの、約53万円というボトム価格となっているわけです。30万円台だった2017年までと比べると、明らかに違う価格帯へと変化したといえるでしょう。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年9月 の安値 |
2020年12月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
タグホイヤー
カレラ CS3140 |
中古 | 2年 3ヶ月 |
¥598,000 | ¥539,000 | -59,000 | 90.13% |
2017年頃まで、このCS3140は30万円台だったわけですが、単に「手巻き、クロノグラフ、YG」という要素だけを見ても、30万円台はYG最安値といえる価格帯だったといえます。
まして、このCS3140には、ドーム型風防といった凝った要素があるわけで、その見た目の良さは一級。なぜ、YG最安値といえる評価だったのか、今となっては不思議です。
なお、このCS3140、1999年頃における定価は58万円(税別)だったため、現在中古相場はかつての定価に近いといったところ。
復刻カレラのYGという内容からすると、50万円台でも「安い」と感じられる一方、かつての定価、及び2017年頃までの中古水準を考慮すると「高くなった」とも表現できる側面があるといえるでしょう。