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現在相場考察

初代復刻YGモデルこの2年間の様子、カレラCS3140

2020年12月18日更新
タグホイヤーのカレラCS3140について斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年9月の安値と2020年12月の安値を比較し現在相場を考察。この2年3ヶ月での変動は¥-59,000だった。

カレラ CS3140についての考察(2020年12月)

1996年に復刻モデルとしてデビューしたカレラは、当初は限定モデルというスタートでしたが、好評だったため、後に限定数が解除。そして、今やタグホイヤー中心を担うほどのキャラクターとなっています。

カレラという存在は1964年からあったわけですが、途中シリーズ廃止となっていたため、60年世代と、現在のモデルとの間には隔たりがあるといえます。

しかしながら、1996年に登場した復刻モデルは1964年版を忠実に再現。このモデルこそが、古き良きカレラと現在のカレラをつなぐ存在ともいえます。

ただ、現代のカレラを見てみると、その雰囲気は1964年モデルとも1996年の復刻モデルとも異なるわけで、むしろ1996年と現行モデルとの間に隔たりがあるようにも感じてしまいます。

そういった意味では、1996年登場のカレラは、コレクター目線では良い時代のモデルだったといえるわけですが、実はこれまであまり評価されていませんでした。

2017年頃までにおけるその相場は、SSが10万円台、YGが30万円台といったところ。どちらも1999年頃と比べても「変わっていない」とすらいえてしまう相場だったのです。

けれども、そんな1996年世代の復刻カレラは2018年頃から特に評価されていきます。

SSは10万円台から20万円台になった後30万円台へと変化。YGも30万円台⇒50万円台となったのです。

とはいえその後、そういった相場はやや安定しない傾向もあり、一時「1つだけ安い個体」が存在するなど、ボトム価格を相場と判断しづらい現象があったのです。

そのようなことがあったため、YGモデルである、このCS3140をお伝えするのも2年ぶりとなってしまったわけですが、現在水準を見ると50万円台が定着したといえる状況です。

2018年9月水準と比べると、6万円近い値下がりではあるものの、約53万円というボトム価格となっているわけです。30万円台だった2017年までと比べると、明らかに違う価格帯へと変化したといえるでしょう。

本記事で参考とした中古腕時計

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【楠本質店/元住吉】ホイヤー/HEUER カレラ クロノグラフ CS3140 手巻 K18YG 復刻モデル

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2018年9月
の安値
2020年12月
の安値
変動額 残価率
タグホイヤー
カレラ
CS3140
中古 2年
3ヶ月
¥598,000 ¥539,000 -59,000 90.13%

2017年頃まで、このCS314030万円台だったわけですが、単に「手巻き、クロノグラフ、YG」という要素だけを見ても、30万円台はYG最安値といえる価格帯だったといえます。

まして、このCS3140には、ドーム型風防といった凝った要素があるわけで、その見た目の良さは一級。なぜ、YG最安値といえる評価だったのか、今となっては不思議です。

なお、このCS3140、1999年頃における定価は58万円(税別)だったため、現在中古相場はかつての定価に近いといったところ。

復刻カレラのYGという内容からすると、50万円台でも「安い」と感じられる一方、かつての定価、及び2017年頃までの中古水準を考慮すると「高くなった」とも表現できる側面があるといえるでしょう。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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