ロレックスのペットネーム(モデル名)で最古といわれているのがエアキングですが、長らく「エントリー」という役割を担っていました。
エントリーという性格ゆえ、ラインナップは基本的にステンレス。1960年代などにはコンビモデル等がありましたが、その後は長らく「SSのみ」となっていました。
しかし、2007年に6桁世代となった際、このエアキングにはリファレンス末尾が4のモデルが投入されます。
それこそが、114234であるのですが、末尾「4」のとおり、WGベゼルを装着したコンビモデル。ベゼルはフルーテッド仕様となり、一見すると渋い見た目なのに、ブレスレットは3連で文字盤デザインは若々しいというアンバランスさが、かなりな意外性を感じさせています。
そして、さらに凄いのは、この114234にはダイヤ文字盤があるということ。
それこそが、この114234Gなのですが、文字盤上にしっかりと11個のダイヤがあります。
このような形状のダイヤを装着する文字盤は、デイトジャストで「10Pダイヤ」としてそれなりに名前が知られていますが、エアキングの場合は「デイト」が無いため「11Pダイヤ」となるのが面白いところでしょう。
相場はどういった水準かというと、前回お伝えした2016年8月時点では、約46万円という水準でした。
そして、2020年12月現在ではどうなっているかというと、その答えは約54万円。
この4年の間で8万円程度の上昇という様子であります。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年8月 の安値 |
2020年12月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
エアキング 114234G |
中古 | 4年 4ヶ月 |
¥462,240 | ¥547,800 | 85,560 | 118.51% |
同じ114234でも、先日お伝えした通常文字盤のほうは、この3年半の間で「ほぼ変わっていない」という状況です。
ですから、4年間で8万円という上昇をしたダイヤ文字盤のほうが「きちんと動いている」ということになります。
ちなみに、通常文字盤のほうは、2017年⇒2020年という期間で値動きしていない稀有なロレックスでありますが、このダイヤ文字盤もそこまで値動きしたわけではありません。
なお、この114234G、この3年半という期間で出現した中古売出し数は20以下。この数字を見る限り、やはり中古流通が少ないモデルだといえます。
そういった意味では、114234Gは何かと「レア」な要素を持ち合わせているといえますが、認知されていないため、現時点では「隠れたレアモデル」と表現できてしまいます。
レアモデルでありながら、他のロレックスと比べて値動きしないというのもまた「レア」な現象ですが、多くの人に知られていないがゆえに大きな値動きもしないのでしょう。