2002年にパネライが限定モデルとして出した127番。
このモデルこそ、「ルミノール1950」の元祖でありますが、デビュー当時からかなり目立っていたという印象がありました。
ルミノールの通常版である44mmですら巨大と感じられた時代において、それよりもさらに大きな47mmというサイズで出たわけですから、かなりなインパクトがあったわけです。
2002年といえば、まさにパネライブームだった時代ですが、ブーム真っ只中に登場した127番は、47mmという巨大モデルながらすんなり受け入れられていたと感じました。
というよりも、「高くて特別なルミノール」といったところで、44mmの“さらに上”といったキャラクターとして認知されていたように思います。
そういった特別感は、その後も廃れることはなく、2010年代といった時代でもその中古相場はそれなりに高い状態をキープしています。
また、2019年水準は2016年と比べて20万円以上といった上昇。それなりに値上がりしていたのです。
しかし、そんな127番は現在なんと大きく値下がりしている状況。
現在水準は133万円なのですが、これは2019年2月水準よりも40万円近く値下がりしているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年2月 の安値 |
2020年12月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オフィチーネパネライ
ルミノール1950 PAM00127 |
中古 | 1年 10ヶ月 |
¥1,728,000 | ¥1,330,000 | -398,000 | 76.97% |
さらに、現在水準は2016年5月と比べても安い状況です。
2016年5月水準は約148万円。現在は133万円ですから、2016年よりも2020年水準のほうが15万円ほど安いということになります。
近頃、パネライにおいて、「これまで動いていたのに動かない」とか「なぜか下落」といったことをお伝えすることが多いように感じていますが、これが示すのはどういったことなのか気になります。
これまでの事例では、パネライのルミノール44mmなどはロレックスが高いときには高く、安いときには安いという傾向があったのが、今では2016年水準と変わらないといったモデルがそれなりにある様子です。
パネライは、2002年頃からフランクミュラーとともに流行ったという経緯がありますが、2010年代でも“人気”という印象かつ、相場変動もきちんとあった状況。そのため、“流行り”で終わることなく、人気ブランドの1つとして定着したと思われていました。
しかしながら、今の様子を見ると「状況が変わりつつあるのかもしれない」と思う方がいても不思議ではないといえます。
今後パネライの動きが、どのようになるか分かりませんが、この127番のようなといったキャラクターが今のような時期に値下がりするのは気になる動きだといえるでしょう。
とはいえ、2002年頃までのラジオミールについては、そこまでの下落という様子がありません。
また、ルミノールでもPVD、トリチウムのA番、プレヴァンドームなどは依然としてかなりな評価となっています。
ただし、PVDに関しては注意が必要です。PVDは2008年にいくつかのモデルがなぜか復刻。とはいえ08年モデルはDLC加工といわれており、文字盤の雰囲気もオリジナルとは異なります。ですから、PVDはオリジナル年式を見極めなければならないため、相場を掴むのが難しい傾向があります。
「数が少なく、コレクター目線でも評価が高い」ということに該当するパネライは相変わらず強いといえるのですが、127番は上記と比べるとそこまでコレクター目線での評価が高くないのかもしれません。