パテックフィリップのラインナップといえば上から順に、グランドコンプリケーション、プチコンプリケーション、カラトラバという順序です。
時計ブームまっただ中だった2003年ぐらいの基準でそれぞれの価格を定義すると、グランドコンプリケーション=400万円前後~、プチコンプリケーション=160万円前後~、カラトラバ=100万円前後~といった具合になります。
シンプルな3針のカラトラバに対し、プチコンプリケーションは何かしらの機能が搭載されているため、カラトラバよりも所有満足感が高いのではないでしょうか。
そんなプチコンプリケーションの中で、5桁リファレンスロレックスが現行モデルだった2000年代中盤以前に人気だったのがこのワールドタイムと年次カレンダーでしょう。
特にワールドタイムには専用ダイアルが搭載されたプラチナケースのモデルが存在するため、時計愛好家へのインパクトが強いモデルだったのです。
さらに、その頃約4億円という最高値で落札された腕時計がまさにプラチナケースにワールドタイム機能を搭載したパテックフィリップだったので印象はなお強いモデルでした。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2012年12月 の最安値(ヤフオク) |
2015年8月 の最安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ワールドタイム 5110R |
中古 | 2年 8ヶ月 |
¥1,833,000 | ¥3,200,000 | 1,367,000 | 174.58% |
しかし、人気があったこのモデルも2005年から2006年頃に生産中止。2006年に新型へと変わります。
当時、新型の評判はあまりよろしくなく、当モデルへの評価が高い状況でしたが、人はやはり“最新モデル”に惹かれるもの。
最初から流通価格の高い新型の横で、旧型である当モデルが値上がりすることはありませんでした。(ロレックスはモデルチェンジしたら旧型の価値が上がる傾向にあります)
そんなワールドタイム、多くの時計が値上がり始めた2012年頃までは180万円台というお買得価格。(ちなみに、現在180万円ではイエローゴールドのロレックスサブマリーナデイトあたりが変えるかどうか、といった感じです。)
そして、2012年12月から3年も経たないうちに100万円以上値上がりしました。
時差を表示するこの時計。
2012年12月という他の時計が値上がりしているタイミングでも値上がりせず、この時計自体の機能のように“時間差”を経て高値になったのです。