2020年夏頃から、K18素材の腕時計が目立って上昇するという現象が起こっており、これまでもそのような事例を何度もお伝えしてきました。
そのような動きに該当するのは、ロレックスデイトナのような人気モデル、生産終了になったサブマリーナといった話題なモデルはもちろんなのですが、ヨットマスターやデイデイトなど、このところあまり目立った値動きをしなかったモデルにも該当します。
そして、今回お伝えするのは、意外なモデルであるわけですが、その値動きは凄い変化といった状況です。
それこそがこのスカイドゥエラーの326938なのですが、これまで390万円程度といった水準だったのが、現在では約547万円という様子に変化。実に148万円もの値上がりとなっているのです。
この326938、2012年にデビューしたスカイドゥエラーのYGブレスレットモデルですが、オイスター系としては珍しい複雑機構が採用。デビュー時には「ロレックスの年次カレンダーモデル」としてかなりな注目度となっていましたが、高級モデルだけあって当初用意されていたのはK18モデルのみでした。
中でもYGの326938は、ロレックスの高級モデルとして、最も典型的な色合いだといえるでしょう。
ただ、その後スカイドゥエラーにはYGコンビやWGベゼルモデルが登場。今では、「値動きするスカイドゥエラーといえば、326934の青文字盤」という印象が強くなっています。
326934は、WGベゼルを装備しているものの、事実上のSSモデルともいえます。他のロレックスでもそうですが、「最も人気」となるような存在はステンレスという傾向があるため、このスカイドゥエラーでもSS人気が高いというのは、他の例と同様だったわけです。
しかしそれが今、YGは326934青文字盤の値動きとは比べ物にならないほど、急激な上昇に変化。さらに凄いのは、RGの326935も同様の動きとなっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年12月 の安値 |
2021年1月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
スカイドゥエラー シャンパン文字盤 326938 |
中古 | 3年 1ヶ月 |
¥3,998,000 | ¥5,478,000 | 1,480,000 | 137.02% |
なお、この326938、現在の定価は494万100円(税込)ですから、現在中古相場は、定価を上回っていることになります。
つまり、「プレミア価格」状態であるわけですが、デビューから9年近くが経過したドレス寄りのYGモデルがこのような状況になるのは凄いといえます。
もちろん、スカイドゥエラーには「年次カレンダー」という特殊要素が備わっているため、プレミア価格になっても不思議でないといえますが、その一方で、そういった現象は「デビュー直後」に起こりうるともいえるわけです。
そういった意味では、デビューから9年近いというタイミングの今、急激な上昇をしたスカイドゥエラー326938は、謎の上昇ともいえるわけですが、はやりその理由として考えられるのは「K18モデルの上昇」というトレンドでしょう。
K18、特にYGといえば、長らく“高級素材なのに人気がない”という傾向がありましたが、今では「YGが一番人気」となっても不思議でないぐらいの伸びとなっています。
かつて、エクスプローラー1が“デイトナの次に高い”という価格序列だったころ、本来エクスプローラーよりも高額なモデルが“安い”という逆転現象が起こっていましたが、それと同様、K18が最も人気という時代が来ても不思議でないと思います。