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現在相場考察

値上がりも値下がりもしない、パテックゴンドーロコンビ

2015年9月21日更新
パテックフィリップのゴンドーロについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2007年1月の最安値(タイムトンネル)と2015年8月の最安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この8年7ヶ月での変動は¥179,000だった。

ゴンドーロ 5111PR (プラチナ&ピンクゴールドコンビ)についての考察(2015年8月)

ゴンドーロ、といえばパテックフィリップの四角いタイプのモデルです。

90年代までは四角いカラトラバという感じで地味に埋もれている印象がありました。それが2000年前半にモデルチェンジをし、近代的な厚みを帯びたデザインに変化します。

そこそこ注目されたものの、最初から高い流通価格がヒットを妨げます

150万円以上という流通価格だったら、プチコンプリケーションが狙えてしまいます。シンプルな3針だったらカラトラバを狙いたいですし、スクエアが欲しければジャガールクルトレベルソデュオあたりのほうが所有満足感もありそうです。

そんなわけで、2007年という8年も前から値段の変化があまりないゴンドーロ

先に書いた理由により、この時計を買った人が少ないため、結果として流通量が少ないのでしょう。

パテックフィリップ ゴンドーロ¥809,600〜¥13,750,000(2024年11月21日現在)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2007年1月
の最安値(タイムトンネル)
2015年8月
の最安値(楽天)
変動額 残価率
パテックフィリップ
ゴンドーロ
5111PR
(プラチナ&ピンクゴールドコンビ)
中古 8年
7ヶ月
¥1,880,000 ¥2,059,000 179,000 109.52%

これがもっと特徴のあるモデルだったら、一時的に不人気モデルとなったことでしょう。

で、その後その“不人気な要素を支える特徴”が、逆に“スパイス”となり人が持つアートな共感覚を刺激するのです。

そうして、激しく値上がりするという現象が起こりうるという流れになっていきます。

例えるなら、99年頃より500万円以下では取引されないであろうデイトナポール・ニューマンが良い例でしょう。

ポール・ニューマンは特徴的なデザインから現行モデルだった時期は不人気でした。

それが、逆に定価10倍ほどのプレミア価格へと変化したのです。

このゴンドーロの特徴は、プラチナとピンクゴールドのコンビという珍しいケースでしょう。

しかし、これといって“毒”な要素が無いのです。
=絶対評価に乏しい

さらにカラトラバ、プチコン、ジャガールクルトレベルソと比べると選ぶ理由がない。
=相対評価に乏しい

しかしながら、パテックフィリップというブランドと良い作りという事実、さらには流通量の少なさが価格の下落を防いでいるのでしょう。

ジャガールクルトレベルソがこの時計以上に高くなってしまうか、この時計がレベルソ並の価格まで下落するかすれば、やっと“買い”になるでしょう。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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