ゴンドーロ、といえばパテックフィリップの四角いタイプのモデルです。
90年代までは四角いカラトラバという感じで地味に埋もれている印象がありました。それが2000年前半にモデルチェンジをし、近代的な厚みを帯びたデザインに変化します。
そこそこ注目されたものの、最初から高い流通価格がヒットを妨げます。
150万円以上という流通価格だったら、プチコンプリケーションが狙えてしまいます。シンプルな3針だったらカラトラバを狙いたいですし、スクエアが欲しければジャガールクルトのレベルソデュオあたりのほうが所有満足感もありそうです。
そんなわけで、2007年という8年も前から値段の変化があまりないゴンドーロ。
先に書いた理由により、この時計を買った人が少ないため、結果として流通量が少ないのでしょう。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2007年1月 の最安値(タイムトンネル) |
2015年8月 の最安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ゴンドーロ 5111PR (プラチナ&ピンクゴールドコンビ) |
中古 | 8年 7ヶ月 |
¥1,880,000 | ¥2,059,000 | 179,000 | 109.52% |
これがもっと特徴のあるモデルだったら、一時的に不人気モデルとなったことでしょう。
で、その後その“不人気な要素を支える特徴”が、逆に“スパイス”となり人が持つアートな共感覚を刺激するのです。
そうして、激しく値上がりするという現象が起こりうるという流れになっていきます。
例えるなら、99年頃より500万円以下では取引されないであろうデイトナポール・ニューマンが良い例でしょう。
ポール・ニューマンは特徴的なデザインから現行モデルだった時期は不人気でした。
それが、逆に定価10倍ほどのプレミア価格へと変化したのです。
このゴンドーロの特徴は、プラチナとピンクゴールドのコンビという珍しいケースでしょう。
しかし、これといって“毒”な要素が無いのです。
=絶対評価に乏しい
さらにカラトラバ、プチコン、ジャガールクルトのレベルソと比べると選ぶ理由がない。
=相対評価に乏しい
しかしながら、パテックフィリップというブランドと良い作りという事実、さらには流通量の少なさが価格の下落を防いでいるのでしょう。
ジャガールクルトのレベルソがこの時計以上に高くなってしまうか、この時計がレベルソ並の価格まで下落するかすれば、やっと“買い”になるでしょう。