このところ、K18の腕時計の多くが目立った値上がりをしているということをお伝えしていますが、そういった現象が見られるようになったのは2020年の夏ぐらいからだといえます。
初期の段階で値動きしていたK18は、デイトナのYGやWG、つまり116528や116509だったといえますが、当時の印象としては116509が高くなるということに意外性がありました。
116509のここ数年の印象といえば、『派手な値動きしない』や『最も安価なK18デイトナ』といったところがあったわけで、その中古相場も相対的に安いといった傾向がありました。
特に2020年4月の緊急事態宣言のときは、260万円台にまで下落するなど、近年におけるK18ブレスレットのデイトナの価格帯としてはそれなりに安い水準にまで下がっていたわけです。
そういった経緯があった116509ですが、2020年10月になると一気に上昇。そのボトム価格は約353万円までに伸び、それまでの「相対的に安い」というポジションから脱却したのです。
そして、YGについては8月の段階でそれなりに目立った値動きとなっていました。
116528の場合、116509のように4月の緊急事態宣言時に値下がりするということがなかったため、値上がり幅は弱かったものの、8月の中古水準は340万円台に達していたのです。
ですから、2020年夏という時期を境目として、これらデイトナは300万円台中盤に値上がりし、今に至るということになります。
そのような経緯があるK18デイトナですが、なんと今、YGについては更なる異変が起きている状況です。
それはどういったことかというと、116528が400万円台という水準に達しているということなのですが、いくらYGデイトナといえ400万円台という水準は驚きます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2014年10月 の安値 |
2021年1月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
デイトナ 黒文字盤 116528 |
中古 | 6年 3ヶ月 |
¥1,852,998 | ¥4,378,000 | 2,525,002 | 236.27% |
なお、116528については長らく「黒・シャンパン」文字盤を追ってきましたが、現在出いているのは黒文字盤のみ。
実は、記事準備中には「シャンパン・黒」文字盤がボトム価格だったため、そちらを取り上げる予定だったのですが、すでに売出し情報が消えた状態となってしまっています。
また、これのダイヤ文字盤バージョンである116528Gについても、380万円台の個体がいくつかあったものの、それらが軒並み消えた様子。現在では400万円以上でないと買うことができない状況となっています。
これまでK18腕時計の値動きの凄まじさを何度もお伝えしてきましたが、デイトナの現在の状況を見ると、特にYGが強いと感じます。
とはいうものの、2020年8月の段階でも同じように「YGが強い」と述べましたが、その後には「WGもYGと同じ水準」という状況になっていました。
ですから、116528の現在の様子は「YGが強い」のか、「YGが先行して値動き」したのかは分からないといえます。
ちなみに、RGはYGと同じような値動きをしている様子があるため、「いかにも“金色”」というK18が人気という傾向があるといえるでしょう。
最後に、この116528黒文字盤の2014年水準を見るとずいぶん安く感じてしまいますが、当時の印象としては「アベノミクスでずいぶん高くなった」というものだったといえます。
つまり2014年時点では、「もうこれ以上高くならないだろう」といった意見が、どちらかというと多数派だったかもしれなかったわけですが、116528はそこからさらに250万円以上も高くなっているのです。