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現在相場考察

個人的に好きなカラトラバ、パテックフィリップ5032J-010

2021年1月19日更新
パテックフィリップのカラトラバ5032Jについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2019年12月の安値と2021年1月の安値を比較し現在相場を考察。この1年1ヶ月での変動は¥67,540だった。

カラトラバ 5032J-010についての考察(2021年1月)

カラトラバには様々なモデルが存在がするため、その全体像を把握するのは困難だといえます。

また、96系を除くと「特にこれが人気」といった存在もあまりないため、むしろ「これが好き」という好みは、人によって分かれる傾向が強いかもしれません。

そういった意味では、「好きなものを見つける」というのがカラトラバの楽しみだといえるでしょう。

今回は、そんなカラトラバの中でも筆者が個人的に好きなモデルを紹介したいと思うのですが、それこそがこの5032J-010です。

この5032J、90年代頃に現役だった世代のカラトラバなのですが、当時のカラトラバとしては、かなり大きめなサイズです。

その頃の主流サイズといえば、35mm以下が主。だいたい33mmぐらいカラトラバサイズといったところで、ノーチラスアクアノートの主流サイズすら33mmという時代でした。

そのような時期において、この5032J-010は36mmという巨大サイズ。ノーチラス3800/1Aよりも大きなサイズのカラトラバだったわけです。

その中身には、キャリバー240が搭載。この頃のシンプルなモデルといえば、キャリバー315が搭載されることが多い傾向がありますが、240搭載というのは意外性があります。

シンプル系に搭載される240といえば、ゴールデンエリプスの3738/100などがありますが、「薄さ」を重視したモデルに採用されることが多いでしょう。

けれども、この5032J-010はそんなに薄いモデルではないため、単に2針仕様にするために240が搭載されたのだと思います。

そして、ケースのデザインはどことなく立体的で、同じ時期にラインナップされていたクロノグラフの5070を彷彿とさせます。

それでいて文字盤デザインは往年の96のような佇まい。全体的にアンバランスな要素を、なんともいえない絶妙なバランスでまとめているところが個人的には好きなのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2019年12月
の安値
2021年1月
の安値
変動額 残価率
パテックフィリップ
カラトラバ
5032J-010
中古 1年
1ヶ月
¥1,450,460 ¥1,518,000 67,540 104.66%

そんな5032J-010ですが、特に有名モデルでもなく、数も少ないため、中古を見かけるのは年に1、2回といった頻度です。

この世代のカラトラバといえば、近頃、あまり目立った値動きをしない傾向がありますが、この5032J-010の動きも「1年前との比較で6万円の上昇」といったところです。

この値動きは、ロレックスの人気モデルや、最近のアクアノートなどと比べると地味といえます。

しかしながら、この世代の他のカラトラバと比べると、実は値動きしているほうだといえる側面もあります。

また、2016年⇒2019年といった期間でも6万円程度の上昇となっており、以前からじわじわと動いている傾向があります。

そういった意味では、あまり有名なモデルではありませんが、筆者のようにこのモデルに対して興味を持っている方が一定数いるのかもしれません。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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