初代オーバーシーズや初代アクアノートのYGモデルは数が少ない傾向がありますが、そういったことは、リーマンショック後という時代において「安くなりにくかった」という影響を及ぼしたようです。
なぜなら、このYGオーバーシーズ、2011年1月水準が150万円。その時期といえば、YGスポロレはもちろん、ノーチラス3800/1Jなども130万円台、もしくはそれ以下といった水準で購入可能だったわけです。
ですから、このYGオーバーシーズは2011年1月という時代において、相対的に高いYGモデルだったということになります。
さて、初代のYGオーバーシーズといえば、先日もその様子をお伝えしましたが、今回取り上げるのはミディアムのほう。
YGミディアムの42050/423Jを前回取り上げたのは、2016年3月と5年近くも前なのですが、その際の水準は約179万円でした。
当時の動きとしては、2011年1月⇒2016年3月で「約29万円の上昇」という値動きだったわけですが、それは「他のYGと比べると上昇幅が弱い」という印象。その理由として考えられたのが、『“全体的に安かった時代”において、あまり安くなっていなかったから、それほど上昇しなかった』ということでした。
2011年⇒2016年の中にはアベノミクスがあるわけで、そのような出来事を挟む値動きとして、29万円程の上昇は弱いといえます。
そのようなこともあってか、2016年⇒2021年現在という期間の値動きは2011年⇒2016年を上回っているのです。
では、現在この42050/423Jがどのような水準かというと約215万円というボトム価格。
これは2016年3月水準と比べて36万円の上昇であり、2011年⇒2016年の約29万円を上回る値動きなのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年3月 の安値 |
2021年1月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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ヴァシュロンコンスタンタン
オーバーシーズ 42050/423J |
中古 | 4年 10ヶ月 |
¥1,798,000 | ¥2,158,000 | 360,000 | 120.02% |
YGブレスレットの腕時計といえば、ここのところ目立って値上がりしている傾向がありますが、このオーバーシーズに関してはあまりそういった影響は感じられないといえます。
先日お伝えしたラージのほうは、約200万円だったため、今の相場のYGモデルとしてはかなりお得感があったわけです。
さすがに、その値段のラージはすでに売り切れとなってしまったため、現在、ミディアム、ラージを問わず、男性用YGオーバーシーズのボトム価格がこの記事の個体となっている状況です(ABランク以上)。
そういった意味では、YGオーバーシーズの価格帯も先日と比べてやや高くなったといえるわけですが、他のYGブレスレットと比較すると安いという感覚もあります。
このミディアムサイズのYGオーバーシーズは、その時期によって「安い」、「高い」という印象が違うように感じるわけですが、現在の状況はK18雲上スポーツという観点では「安い」と捉えることができるのではないでしょうか。