「K18の腕時計が目立った値動き」ということは、これまでにも何度もお伝えしていますが、今回取り上げるのもまた、K18腕時計の上昇であります。
それは何かというと、5桁デイトナです。
5桁デイトナといえば、他社製ムーブメントを搭載した最後のモデルで、エルプリメロベースというのは有名です。
そういった要素に加え、見た目の格好良さや、90年代という時代から定価を上回るプレミア価格(16520)だったこともあって、「腕時計の王様」と呼ばれるような存在であります。
また、16520については、近年でも目立った上昇があり、実際、2016年12月頃からは他の腕時計を牽引するような動きとなっていました。最近ではあまり元気がないものの、ここ数年の中古市場において「王様」といった感覚があったといえます。
しかしながら、今の状況を見ると驚く事が起きているのです。
それこそが、16520ではなく、16528の値動きなのですが、現在黒文字盤が約426万円という水準に到達。また、シャンパン文字盤に関しては440万円台となっており、かつてとは大きく異る価格帯にいるわけです。
そして驚くのが、値動き幅なのですが、この16528黒文字盤は2020年5月⇒2021年1月の8ヶ月間という期間で86万円程の上昇となっているわけです。
もはや値動きの派手さという意味で16528は、16520を大きく上回っているわけで、「値動きするデイトナ」がSSからYGになったということに驚きます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年5月 の安値 |
2021年1月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
デイトナ 黒文字盤 16528 |
中古 | 0年 8ヶ月 |
¥3,398,850 | ¥4,268,000 | 869,150 | 125.57% |
この16528は、これまで16520ほどの値動きをしなかった印象がありますが、実際そうだったといえる出来事があります。
特に2019年5月水準がそのようなことを示していたといえるのですが、何が起きていたかというと、16520(黒)と16528(黒)の価格差が約41万円にまで縮まっていたのです。
16520のような人気が高いステンレスモデルといっても、YGモデルとの価格差が40万円程度というのは驚く状況だったわけですが、それぐらい16528が値動きしていなかったともいえるかもしれません。
ただ、当時の感覚として16528はそれほど値動きしていないという感覚でもありませんでした。実際、16520との価格差が40万円程度にまで縮まった2019年5月時点では『1年で28万円程度の上昇』という動きをしていたわけです。
もっとも、2019年5月時点の感覚としてはそういった動きはそれほど“凄い”という感覚ではありませんでしたが、動いていないというわけではありません。
しかし、今や黒文字盤同士の比較をすると、16520と16528はなんと158万円の価格差という状況。2019年5月の差が約41万円でしたから、2年も経たないうちに、SSとYGの価格差は4倍近くにもなったということになります。
そういった意味では、「16520(SS)よりも16528(YG)のほうが動くようになった」という変化が、2019年⇒2021年という期間の中で起きたといえるでしょう。