デイトナといえば、価格帯が高いゆえに「憧れの腕時計」というイメージがありますが、それに加えて「人気度が高い」という要素も持ち合わせています。
そのため、デイトナは高価格帯という相場ながら、その多くが「派手に値動きする」という傾向があるわけです。
しかしながら、そういったデイトナでも、あまり値動きしない存在があります。
それこそが、この16523なのですが「デイトナとしては最も値動きしない存在」だといえるかもしれません。
また、この16523は全デイトナの中で最も中古相場が安価という側面もあります。ですから16523は、“値動きしない”かつ“最も安い”デイトナといえるわけです。
デイトナのラインナップには、SS、コンビ、K18(革ベルト/ブレスレット)、プラチナがありますが、K18は元が“高く”、SSは人気があるから“高い”わけで、中古市場ではコンビが最も安価という傾向が20年以上前からあります。
そのため、コンビの旧モデルである16523が「デイトナとしては最も安い中古相場」となるのは長期に渡って続く「当たり前」であるわけですが、ここで興味深いのは「なぜ16523は、116523よりも安いのか」ということです。
デイトナの相場は、基本的に2000年デビュー世代よりもエルプリ世代のほうが高いという傾向があるのですが、不思議とコンビに限っては「エルプリのほうが安い」のです。
そういったことは、2016年の段階から記事で指摘していますが、それから5年経った現在でも、未だ「16523のほうが安い」ということに変わりありません。
現在、16523は155万円というボトム価格なのですが、116523は164万円。やはり16523のほうが安いのです。
とはいえ、16523の値動きを見てみると、意外にも「以前よりも動いている」という感覚になります。
実際、このシャンパン文字盤は2019年11月⇒2021年1月の1年2ヶ月という期間での値動きが、約21万円という状況。
以前の動きを見てみると、10万円以下の動きが目立っていたため、やはり現在の値動きは「以前よりも動いている」ということになるわけです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年11月 の安値 |
2021年1月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
デイトナ シャンパン文字盤 16523 |
中古 | 1年 2ヶ月 |
¥1,333,200 | ¥1,550,000 | 216,800 | 116.26% |
16523は2017年秋頃まで100万円前後という水準だったわけですが、それから近年までにかけての値動きは30万円程度。また、ちょっと前までは「130万円台で購入可能」という感覚があったわけです。
しかし、そんな16523は今や150万円台という水準。ですから、この1年2ヶ月の値動きで「結構上がった」ともいえるかと思います。
なお、筆者としてはこの16523のシャンパン文字盤は好きな腕時計の1つであります。シャンパン文字盤とYGコンビの色合いが、どことなくクラシカルな雰囲気を醸し出しており魅力的だと思うのです。
そのため、2017年頃に一度購入を検討したのですが、その時買っていたならば今頃50万円高という値上がり体験となったことでしょう。
人気がないといわれるコンビのデイトナですが、それでも3年前と比べて50万円程度の値上がりという状況なのが、「さすがはデイトナ」といえるところだと思います。