これまで派手に値動きする腕時計といえば、「現行モデルのステンレス」という印象がありました。
実際、ロレックスではサブマリーナやGMTマスター2、パテックフィリップではノーチラスなどのステンレスモデルは、いずれも大人気という印象で、派手に値動きしていた様子がありました。
しかしながら、最近ではそれら「現行モデルのステンレス」の値動きはあまり目立っておらず、特にノーチラス5711/1A青文字盤に至っては2020年5月頃から値動きしていないという状況が続いています。
そして、最近では「ステンレス」から打って変わったかのように、「K18モデルが派手な上昇」というトレンドがあるわけです。
ですから、ここ数ヶ月の印象としては、「動くのはK18」という印象になりつつあるともいえるでしょう。
けれども、そんな状況の中で、それなりに動いている「現行のステンレス」があったのです。
それこそが、まさに「腕時計の王様」と称されるデイトナ116500LNです。
ただ、この116500LN、最近なぜか“一番人気”という印象がある白文字盤よりも、黒文字盤のほうが値動きする様子。
実際、白文字盤は、前回お伝えした2020年8月水準と現在水準が5万円程度の違いという状況に留まっています。
その一方で黒文字盤に関しては、値動きしている状況。2020年9月から12月でもそれなりに動いていると感じられ、その時点でも「黒文字盤だけが動いている」という表現をできたほどでした。
そして、今回もまた値動きしているわけですが、12月からまだ1ヶ月しか経っていないにも関わらず、14万円もの上昇となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年12月 の安値 |
2021年1月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
デイトナ 黒文字盤 116500LN |
中古 | 0年 1ヶ月 |
¥2,649,000 | ¥2,790,000 | 141,000 | 105.32% |
この値動きによって、116500LNのボトム価格は279万円という水準にまで上昇したことになります。
なお、この116500LN黒文字盤、これまでお伝えした最も高い相場が2019年6月の約266万円というボトム価格でした。
それ以降は、下落トレンドによって、長らく2019年6月水準を超えることがなく、「黒文字盤が目立って値動き」という状況だった1ヶ月前の水準でも、2019年6月以上とはなっていなかったのです。
しかし、現在この116500LN黒文字盤のボトム価格は279万円に達しているわけで、ついに2019年6月に観測した、これまでの過去最高値を超えたことになるわけです。
2020年8月頃から「2019年上半期水準を超えた」というモデルが出てきましたが、冒頭でお伝えしたような「現行モデルのステンレス」でそれに該当するものはなかったといえます。
例えば、サブマリーナは2020年9月に派手な上昇となりましたが、生産終了という要素があったわけで「現行モデル」にも該当しません。
ですから、派手に値動きする「現行モデルのステンレス」という観点では、この116500LNが「2019年上半期を超えた」という最初のモデルだといえるでしょう。