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腕時計特集

コミットTV 八木コラム ~初めて買うべき高級時計とは~

2021年1月26日更新

初めての高級時計で何を買ったらいいか分からない 20代~30代の皆様へ

最近は高級時計に興味を持っていただいている若い層のお客様が増えてきております。

そんな中で実際に高級時計を購入する際に「どのモデルが良いのかわからない」というお声をいただきます。これだけ沢山のブランドやモデルがあれば、最初に何を買ったらいいかわかりませんよね、、、

今回はそんなお悩みを解決するために【これを買っておけば間違いない!】と言われるモデルをご紹介します!!

結論から申し上げます!!

ズバリ買うべき高級時計は…

ロレックス エクスプローラーⅠ』

こちらのモデルになります!

今回はこのエクスプローラーⅠを選んだ理由と魅力についてお話しします。

ロレックス エクスプローラーⅠとは
まずはこのモデルの背景を知ることから始めたいと思います。

エクスプローラー=「探検家」

エクスプローラーは1953年に「人類未踏の地へチャレンジする探検家のために開発されたモデル」になります。

エクスプローラーⅠの代名詞といえばシンプルなデザイン、そして大きなアワーマーカーと特徴的な 3、6、9 の数字が配された【高い視認性を誇るブラックダイヤル】いかなる状況でも時刻が正確に分かるように作られた実用時計です。

どんなに過酷な状況でも動き続ける時計であることを証明するために、ロレックスは「エベレスト登頂への同行」など、数々の偉業に挑戦する人にこの時計を同行させました。そしてエクスプローラーの知名度を高めるとともに「過酷な環境でも壊れる事なく最後まで役目を果たすことができるモデル」と証明したのです。

エクスプローラーⅠの歴史

初代 Ref.6350 と 第二世代 Ref.6610

・Ref.6350【1953年頃】

1953年に誕生した記念すべき1stモデルです。自動巻きムーブメントのCal.A296を搭載したセミバブルバック。ハニカムダイヤルが多いことも特徴に挙げられます。

また同時期にはRef.6150も発表されており、こちらはノンクロノメーター仕様となっております。

・Ref.6610【1954年頃】


画像:Christie’s 参照

エクスプローラーの2ndモデルとして、初代Ref.6350の約1年後に発表されました。

ムーブメントはCal.1030を搭載したことでフラットな形状になりました。また左右どちらとも巻き上がる、現代的な自動巻きローター(バタフライローター)に進化しております。

第三世代 Ref.1016【1963年頃~1988年頃】

1963年から1988年にかけて販売されていた3rdモデルとなるRef.1016

約30年間生産された、エクスプローラーの真骨頂とも呼べるロングセラーモデルです。


*後期型

エクスプローラーとしての恒久的な基本デザインを確立した世代でもあり、前期型・後期型に分かれているこのモデルは、数々のレアな仕様が発見されています。

「前期型(1960年代頃)はRef.6610で使われていたとされるサークルミラーダイヤルが採用されていおり、ムーブメントはCal.1560を搭載しております」


*前期型

「後期型(1970年代頃)は文字盤外周のサークルラインが消え、インデックスの色も金色から白色に変更になるなど、スポーツモデルらしい精悍なイメージへと進化しました。さらにブラック文字盤もマットな色調となり視認性が向上しています。また、ムーブメントはCal.1570クロノメーターに変更され、リューズを引くと秒針が止まる「ハック機能」も追加されました。後期型の人気は高まるばかりでございます」

・ミラーダイヤル:艶のある独特な輝きを持つ希少ダイヤル


*後期型

第四世代 Ref.14270【1990年頃~2000年頃】

1990年頃から2000年頃まで発売され、 Ref.1016からフルモデルチェンジとなったRef.14270。プラスチック風防からサファイアクリスタル風防に変更され、トリチウム夜光とホワイトゴールド製アプライドインデックスを組み合わせたフェイスとなっています。ムーブメントは自動巻きCal.3000が搭載され、当時のロレックスの主力ムーブメントとして、毎時28,800振動、48時間のパワーリザーブを備えております。

このRef.14270については、「ブラックアウト」「シングルバックル」「オールトリチウム」といった特徴を持つ、古い製造年月日のモデルが注目され価格が高騰しております。


*ブラックアウト:3・6・9白いラインが入らない希少ダイヤル

第五世代 Ref.114270【2000年頃~2010年頃】

2000年頃から2010年頃まで発売されていたモデルで、見た目に関してはRef.14270と大きく変更された点はありませんが、風防の6時位置に、コピー防止のための”王冠マーク(透かし)”が先行的に導入されたモデルになります。

大きな変更点としては自動巻きムーブメントのCal.3000からCal.3130に進化した点です。またフラッシュフィット(ケースとブレスレットの接合部)が一体型となったことなど、機能面の充実が図られております。Z番(2006年頃)からは文字盤外周に「ROLEXとシリアル」が入るルーレット刻印が採用されております。

第六世代 Ref.214270【2010年頃~現在】

2010年に発売され、現在まで販売している現行モデルになります。先代のデザインは踏襲しつつ、36mmから39mmにケースサイズが大型化されました。

また自動巻きムーブメントはロレックス最新鋭のCal.3132へ進化し、高い耐磁性・耐衝撃性を誇っております。

Ref.214270も前期型と後期型に分かれており、特徴的な変更点は

・3・6・9のアラビアンインデックスにクロマライト夜光が塗布
・時分針が長く太い針に変更

※左:前期(2010~2016年頃)・右:後期(2016年頃~現在)

エクスプローラーⅠの魅力

①シンプルでスタイリッシュなデザイン
シンプルな時計であるが故に着用シーンを選ばない最強の万能時計です。

スーツスタイルからカジュアルな服装まで様々な用途で活躍するデザインは、最初の1本には相応しい要素です。せっかく買ったのだから毎日着けたいと思うのは当たり前。そんなときにTPOを気にしなければいけない時計では楽しめませんよね。

また厭らしさのないデザインのため、ビジネスシーンでは大いに活躍し、さりげない高級感と大人の雰囲気を醸し出してくれます。

飽きのこないデザインだからこそロレックスの数あるモデルの中でも長く愛され不動の人気を誇るモデルになっております。

②実用性の高さ

実用性に関しては前述にあるように「過酷な環境でも壊れる事なく最後まで役目を果たすことができるモデル」ということで、高い堅牢性と高精度を誇ります。

どんなに過酷な状況でも動き続ける腕時計ということもあり「いついかなる状況でも正確に時間を確認できる」ことがエクスプローラーⅠの根底に潜むコンセプトとなっております。

またオーバーホール等のアフターケアに関してもシンプルな3針モデルということから、費用も比較的リーズナブルであり、時計の維持費という観点から見ても非常に実用性が高くなっています。

③手に入れやすい価格帯と安定した資産性

現在ロレックススポーツモデルは年々需要が高まり続けており、正規店での購入は基本的には難しい状況です。セカンドマーケットにおいても価格が高騰し続けており、容易に手に入れることができない代物となっております。そんな中でエクスプローラーⅠはスポーツモデルでは比較的入門しやすい価格帯です。

第四世代 Ref.14270 や 第五世代 Ref.114270は、年式等を選ばなければ50~80万円辺りで購入できる個体もございます。

またリーズナブルな価格設定ながら、エクスプローラーⅠは人気が高いため、需要が安定しており相場も徐々に上がっております。スポーツモデルの中でも、これ以上なく安全かつ手に入れやすいのもエクスプローラーⅠの魅力です。

④ステータス・知名度

高級時計をまだあまり知らない方々でも「ロレックス」の名前ぐらいは耳にしたことがあると思います。そのなかでも「エクスプローラー」は不動の人気を誇り世界的にもこの時計の知名度を疑う余地はありません。それでいてスタイリッシュでスマートな印象すら与えるこのモデルを着用しているとなれば、どれだけの高揚感と満足感を得られるでしょうか。腕元にロレックスエクスプローラーがあるだけで、ビジネスシーンでも大いに力を発揮するでしょう。

また、知名度を押し上げた一つの要因としては、当時ドラマで木村拓哉さんが愛用していたことは記憶に新しいですね。日本の芸能界だけでも愛用している方は多く、所ジョージさん・唐沢寿明さん・伊藤英明さん・中居正広さん・長瀬智也さん等々、挙げだしたらキリがありません。

それほどまでに我々の心を魅了して止まないエクスプローラーⅠをファーストロレックスに選択することは、難しくない決断だと思われます。

具体的にどのエクスプローラーⅠを購入した方が良いのか?
ここまでご覧いただいて、実際にエクスプローラーⅠのどのモデルを買えばいいの?と思われていますよね。そこで今回はファーストロレックスに相応しい狙い目モデルをご紹介します!今回は予算を重視したコストパフォーマンスの高いモデルを選出しています。実際にコミット銀座で現在販売している時計を例にしてご案内いたします!

① Ref.14270 A~P番(1999年~2000年頃の生産個体)

この辺りに生産された個体はRef.14270の中でも比較的狙いやすい価格帯です。もう少し前になると、夜光がトリチウムのものやシングルバックルなどの仕様により販売価格が上がる要素が高まります。

② Ref.114270 K~D番(2001年~2005年頃の生産個体)
第五世代のエクスプローラーⅠも比較的購入しやすいモデルです。

前述にも述べましたがZ番(2006年頃)以降になるとルーレット刻印が入りだし、価格も一段上がるので、比較的初期の個体の方が手に取りやすいと思われます。

③ Ref.214270 (2010年~2015年頃の生産個体)
Ref.14270のブラックアウトを連想させる前期型のRef.214270は、デザイン面でのカッコよさもありながら、資産性も兼ね備えております。現行モデルに関しては年式が新しい方が値段が高くなりますので、生産初期の個体は狙い目です。

まとめ

今回ご紹介したエクスプローラーⅠはいかがだったでしょうか。

初代の発売から約67年。ケースサイズや形状の変化、文字盤の進化を経てなお、初期型から現行のRef.214270まで、エクスプローラーのテーマは一貫しております。ディープブラックの文字盤、シンプルで視認性の高いレイアウト、そして3・6・9インデックスは、普遍的な象徴となります。

改めてエクスプローラーⅠのテーマでもある

「人類未踏の地へチャレンジする探検家のために開発されたモデル」

を思い出してください。

皆さまにとって、高級時計を初めて購入するという未踏の地へのチャレンジを是非このモデルで実現していただければと思います!!

ではまた!

この記事の執筆者
金子剛
コミット銀座 鑑定士 (時計鑑定歴15年) 2020年よりエグゼクティブ・アドバイザー就任。 腕時計の知識、相場観には定評があり、特にヴィンテージロレックスのマニア気質が高い。 現在、ヴィンテージロレックスに特化したサイト、CVWD.JPを制作。
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