2019年夏の下落トレンド以降、現行世代のノーチラスは、それよりも前と比べて派手な値上がりするという印象がなく、実際5711/1A青文字盤などは、未だ2019年上半期以上の水準とはなっていません。
その一方で、この3800/1Aのような旧世代は着実に上昇している傾向があり、2019年夏頃から始まった下落トレンド時でも、値下がり傾向は見られませんでした。
それどころか、そういった時期を含めて値上がりしていた印象で、ここのところの印象としては最も優秀な値動きするパテックフィリップといっても過言ではありません。
2019年までの時代において、現行世代と比べると値動きが地味だった印象のある旧世代ノーチラスですが、今では逆転して「優秀なノーチラス」となっているのが凄いといえます。
そんな旧世代の3800/1Aですが、そのような値動きは今でも健在な様子。
この3800/1A青文字盤は、2020年5月から現在にかけて、30万円程の上昇となっており、その結果400万円台という水準に到達。
かつてノーチラスの400万円台という水準は「驚くほど高い」というイメージがあり、実際最初にそういった水準だったのは5800/1Aなどのレアモデルでした。
そして、その次に5711/1A青文字盤が400万円台となり、それから白文字盤の5711/1A-011が到達。いずれも400万円台となった最、「すごい」という印象がありましたが、それだけ400万円台という水準はインパクトがあるといえます。
そして、2021年1月の今、3800/1A青文字盤までもが400万円台に到達したわけですが、ステンレスのノーチラスとしては、最も安価な中古相場という傾向の3800/1Aが400万円台になったというのは、過去の常識では考えれないといえるでしょう。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年5月 の安値 |
2021年1月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ノーチラス 青文字盤 3800/1A |
中古 | 0年 8ヶ月 |
¥3,850,000 | ¥4,158,000 | 308,000 | 108.00% |
昔話をしますと、2001年2月における3800/1Aの新品実勢価格は約78万円でした。ちなみに、パワーリザーブの3710/1Aは約83万円だった一方、アクアノートの5065/1Aは約92万円という新品実勢価格。当時はアクアノートのほうが新しかったため、高かったのです。
とはいっても、当時の新品実勢価格を見ると、いずれも今の感覚では、びっくりするほど安いわけですが、それでも注目度は高くありませんでした。
なお、その頃における、3800/1Aのメインは黒文字盤だったため、逆に青文字盤のほうが珍しいという傾向だったものの、特に評価されるということはなく、また、中古では1982年からのロングセラーである青文字盤の出現が当然ノーチラスとしては多かったため、レアモデルという扱いでもなかったのです。
ただ、青文字盤を例としても中古個体はそれほど多いわけではなく、稀に出たのを見かけた際には60万円台といった値段が多かったように記憶しています。
そんなノーチラスが高くなったと感じられたのは、2005年頃からなのですが、その当時中古相場が100万円以上という水準に到達。
そして、その後リーマンショックで再度下落したものの、アベノミクス以降は再び上昇。2015年頃から2017年頃にかけては200万円程度といった傾向だったといえます。
もちろん、その頃の200万円程度という水準は、過去と比べると「だいぶ高い」わけで、もはや『それ以上の値上がりはしない』という意見が、それなりに説得力があるようにも思われていたほどでしょう。
しかし、そんな3800/1A青文字盤は今や400万円台に達しているわけで、200万円という水準だった時代の「倍」という状況になっているのです。