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現在相場考察

リーマンショック後としては初の80万円台、ミルガウス116400黒文字盤

2021年2月3日更新
ロレックスのミルガウス116400について斉藤由貴生が執筆。本記事では2020年10月の安値と2021年2月の安値を比較し現在相場を考察。この4ヶ月での変動は6万8200円の値上がりだった。

ミルガウス 黒文字盤 116400についての考察(2021年2月)

2007年に電撃復活した6桁世代のミルガウスですが、「そこまで人気がないスポーツモデル」という印象になってから随分長い時が経過したといえます。

実際、その中古相場は、6桁ロレックスにおいてどういった序列かというと、「下から数えるほうが早い」わけで、同じ6桁スポーツモデルの中では「安いほう」という印象があるでしょう。

ただ、そうはいっても、まったく値動きしていないわけではありません。

「1ヶ月で数十万円」というように、派手な上昇をする様子はないものの、じわじわと動いた結果、数年前と比べると数十万円単位で高くなっているという側面があるのです。

とはいうものの、比較的地味な値動きですから、他のモデルと比べて話題性に乏しいという感覚もあるかもしれません。

しかしながら、近頃そんなミルガウスにおいて面白い動きがあるのです。

それこそが、ミルガウス内における価格序列の変化。例えば、「どのミルガウスが高いか?」という質問をされた際、以前であれば116400GVが最も高く、その下に116400黒文字盤、最も安いのが白文字盤という傾向がありました。

それがここ1年ぐらいの間において、ミルガウスの価格序列は頻繁に変わるようになったのです。

最初に異変が起きたのは白文字盤なのですが、2020年3月の段階で白文字盤は「黒文字盤よりも高い」という状況になっていました。

116400において、黒文字盤よりも白文字盤のほうが安いという現象は、2007年のデビュー時からずっと続いていたともいえるため、2020年3月の動きは「天変地異が起きた」ともいえました。

そして、その後も白文字盤の勢いは止まらず、一時は116400GV(黒)よりも高い水準にまで到達。116400GV(黒)といえば、2007年のデビュー時に「最も高い現行SSロレックス」となっていた存在です。SSデイトナよりも高い水準で、同じミルガウスでも白文字盤の倍ぐらいの水準だったわけですから、このような価格序列になるのは「驚く」という感覚があったわけです。

つまり、この時点での価格序列は、『11400GV(青)>116400(白)>116400GV(黒)>116400(黒)』となっていたことになります。

ただ、その後116400GVの黒文字盤は上昇したため、価格序列は『11400GV(青)>116400GV(黒)>116400(白)>116400(黒)』へと変化。いずれにしても、2020年3月頃から、116400黒文字盤は最も安いミルガウスという印象があったわけです。

しかし今、そんなミルガウス黒文字盤に変化が生じているのです。

116400黒文字盤は、2020年10月の段階で約76万円という水準だったのが、現在約83万円というとボトム価格へと上昇。なんと80万円台という水準に到達しているわけですが、これはリーマンショック後の116400としては「初の80万円台」だといえます。

そして、その黒文字盤の変化によって再びミルガウスの価格序列は変わったわけで、現在時点では『11400GV(青)>116400(黒)>116400GV(黒)>116400(白)』となっているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2020年10月
の安値
2021年2月
の安値
変動額 残価率
ロレックス
ミルガウス
黒文字盤
116400
中古 0年
4ヶ月
¥767,800 ¥836,000 68,200 108.88%

つまり、この116400の黒文字盤は、今やZブルーの次に高いミルガウスとなっているわけですが、これまでの経緯を踏まえるとこのような序列となっていることに驚きます。

2007年頃の記憶からすると、116400GV以上の水準になったということが「凄い」といえ、また、最近の記憶からは、「2020年の白文字盤のような動き」ということになったことを不思議に感じます。

いずれにしても、この116400黒文字盤を2017年に50万円台で購入した筆者としては、今の値動きは狙い通りという側面があります。

著書の印税で116400黒文字盤を買った際、日刊SPA!の連載で「あえて値上がり難易度が高い腕時計を買った」と書いたのですが、その思惑は、「そのようなモデルでも値上がり体験ができる」ということを証明したかったからです。

そして実際、116400黒文字盤が今の相場になったことにより、筆者も30万円単位という値上がり体験となっているわけで、まさに狙い通りだったといえる結果となったのです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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