ロイヤルオークの15202STといえば、今では「エクストラシン」という印象がありますが、実はこの15202、エクストラシンが登場するだいぶ前から存在するモデルであります。
ロイヤルオークの3針モデルといえば、オリジナルの5402STとは異なる見た目という傾向がありますが、その一方で2針の15202系統は「オリジナルに忠実」という役割を担っています。
つまり、3針は時代に合わせた変化をする一方で、2針は初代をそのまま引き継ぐ系譜だといえるでしょう。
また、この15202、かつては「ジャンボ」と呼ばれていましたが、なぜかというと、その時点では最も大きなロイヤルオークだったからです。
15300ST登場以前のロイヤルオーク3針モデルといえば14790STですが、36mmというケースサイズだったため、この15202STの39mmが最も大きかったわけです。
ただ、その後、ロイヤルオークの3針モデルがどんどん拡大した結果、今では15500よりも15202のほうが2mm小さいということになっているのです。
さて、この“ジャンボ”と呼ばれた時代の15202STですが、過去はどういった相場だったのでしょう。
2010年9月時点では、この15202STの白文字盤、15202ST.OO.0944ST.01は約86万円という水準でした。
当時、同様の水準だったのは、アクアノート5066A青文字盤やノーチラス3800/1A-001などですから、パテックフィリップ並に評価されていたといえます。
そして、2017年4月の段階では、15202ST.OO.0944ST.01は約169万円にまで上昇していたのですが、この時点で、「ノーチラス3800/1Aよりも安くなった」ということになってしまいました。
なお、当時15400STは120万円台後半程度でしたから、15202ST白文字盤は、それよりも40万円ほど高い水準。当然、ロイヤルオークとしては相対的に高いモデルでした。
ちなみにこの15202ST.OO.0944ST.01、中古が登場する頻度は1年に一度かそれ以下といったぐらいであるため、あまり見かけないという状態は、前から変わりません。
しかし、近年において、その中古水準は年々上昇しており、2019年の段階で300万円台中盤にまで到達しています。
ロイヤルオークといえば、2018年頃から目立って高くなった経緯があるため、この15202ST.OO.0944ST.01も2017年⇒2019年という時期の値動きが200万円の上昇という規模になっている傾向があるといえます。
そして今や、この15202ST.OO.0944ST.01はさらに上昇しているわけですが、その水準はどうなっているかというと、なんと約453万円。ついに400万円台中盤にまで達しているわけですが、この水準になったことにより、「ノーチラス3800/1Aよりも高い」ということになっています。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年4月 の安値 |
2021年2月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オーデマピゲ
ロイヤルオーク 15202ST.OO.0944ST.01 |
中古 | 3年 10ヶ月 |
¥1,698,000 | ¥4,539,000 | 2,841,000 | 267.31% |
近頃、3800/1Aも400万円台という水準に到達しており、優秀な値動きをしているわけですが、15202ST.OO.0944ST.01がそれを超えたというのは、ロイヤルオークが以前よりも評価されるようになったということだと思います。
ただし、この15202ST.OO. 0944ST.01のライバルは、3800/1Aというよりも5711/1Aのほうが適当ともいえます。
ノーチラスには、ロイヤルオーク15202ST系に該当する存在がないため、15202とノーチラスを比較するのは難しい側面がありますが、新品時の実勢価格やその後の中古相場の観点から、15202ST.OO. 0944ST.01は3800/1Aと比べるのが分かりやすいわけです。
ちなみに、世代的にこの15202ST.OO. 0944ST.01は2005年前後に現行だったという感覚がある一方、3800/1A-001は2000年前後に現行だったといえます。
3800/1Aは2005年頃には生産終了となっていたため、同一世代とはいえない側面があり、実際当時の印象としても15202ST.OO. 0944ST.01のほうが新しいモデルというイメージでした。
ただ、2006年頃や2010年の15202ST.OO. 0944ST.01相場が3800/1A-001に近いということから、「15202ST.OO. 0944ST.01のライバル」として3800/1Aは分かりやすい存在なのです。
これら2本は、2010年から2021年にかけて『同水準(2010年)⇒3800/1Aのほうが高い(2017年)⇒15202STのほうが高い(2021年現在)』という変化になるわけですが、「ノーチラスの上昇が再び活性化してきた今」において、15202STが3800/1A以上の水準となったことに驚きます。
そういった意味では、今の時代は「ノーチラスもロイヤルオークも凄い人気度」だといえるかと思います。