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腕時計特集

阿部泰治のパテック論 ~第45回~ 現行 オススメ「ドレスウォッチ」

2021年2月5日更新

みなさん、こんにちは。

今回は【 パテックフィリップ 】の現行モデルでオススメのドレスウォッチを数本ご紹介したいと思います。私の好みで選んでしまうと、いつもと似通ったラインアップになってしまいますので、違う視点で見て選んでみようと思います。

「Ref.5738R-001」 ゴールデン・エリプス 18KRG

まず1本目ですが、実物はとてもインパクトがあり、カッコよく、自分が思っている以上にお問い合わせ、反響をいただいたモデル、ゴールデン・エリプス「Ref.5738R-001」です。

1968年に誕生した「ゴールデン・エリプス」の生誕50周年を記念して、ラージサイズのケースにブラック・ソレイユ仕上げのダイヤルを備え、2018年に新作として発表されました。
私の知るところの「ゴールデン・エリプス」は、今としてはサイズも小さく、オーバルの薄型ケースで、文字盤もいたってシンプル、悪く言うと少し地味なイメージでした。

しかし、このモデルを見た時にそのイメージは払拭され、程よく大きな18KRG(ローズゴールド)ケースに、ソレイユ仕上げの黒文字盤が綺麗に映え、なんともエレガントな仕上がりであります。

時計を選ぶ際にラウンド以外のチョイスはしづらいと思いますが、このモデルは”あり”です。
なかなか市場で中古品を見つけるのは難しいですが、当店で販売した時計は未使用の状態であったのもオススメのポイントでした。


*参照:patek.com

こちらのモデルにはプラチナケースで青文字盤が綺麗な「Ref.5378P-001」もあるようですが、国内の正規販売価格は6,413,000円(税込)します。18KRG(ローズゴールド)ケースとの価格差が250万円ほどありますが、機会があれば実物の時計も見てみたいですし、是非とも取り扱ってみたい1本であります。

「Ref.5196P-001カラトラバ Platinum

続いて紹介するモデルは “ザ・パテックフィリップ” なモデルで、素材違いで何本か販売の実績がある、カラトラバ「Ref.5196P-001

1932年に発表されてから【 パテックフィリップ 】の人気を担ってきた『カラトラバ』を現代的なサイズにリメイクし、新たな定番モデルとなった「Ref.5196」

オリジナルの「96*クンロク」と比較すると、37mmにサイズアップしましたが、2トーンカラーダイヤルに描かれたブレゲスタイルのアラビアインデックスは、バランスがよく、洗練された雰囲気を持っていて人気があります。

パテックフィリップ 】論でカラトラバについて書かせていただいた時にも触れておりますが、文字盤・針のデザインを見た時に、アンティークが好きな方であれば、どこか懐かしく感じた方も多いと思います。それもそのはず、1940年前後に発表された「Ref.570」に全く同じデザインのものが存在していたのです。


*参照:PHILLIPS

個人的には18KYG(イエローゴールド)のケース「Ref.5196J-001」に、あえてやや厚みのあるカーフ素材のストラップをチョイスするのも’’あり’’な気がします。使い易さや色(素材)の好みはありますが、私の中で革ベルトのドレスウォッチと言えば18KYG(イエローゴールド)です。

「Ref.5396G-011」 アニュアルカレンダー 18KWG

3本目にご紹介するのは、カラトラバのケースデザインの流れを汲んだモデル、アニュアルカレンダー「Ref.5396G-011」です。

ケースデザインを見ると分かる人はすぐにカラトラバの派生モデルであると感じると思います。もともとは今から15年ほど前に遡りますが、2006年に発表されたモデルが初代でした。

当時、2005年に発表されたカラトラバの自動巻モデル「Ref.5296G-001」の文字盤デザインが元ネタとなったと言われており、アンティーク好きの間では、通称「セクターダイヤル」「東京都ダイヤル」などと呼ばれている2トーンタイプのモデルでした。斬新なデザインとして受け止めた方も多かったと思います。(笑) ただ、そのデザインも1930年代に製造されていた文字盤デザインからインスピレーションを受けていると言われており、私は個人的には好きなデザインではありました。

少し脱線しましたが、今回オススメするモデルはシンプルですっきりとしたドット型のミニッツスケールと、バトン型の立体的なアワーマーカー、そしてドフィーヌ(ドルフィン)針と、ダイヤルはまさしく初代の「Ref.96」、現行モデルのカラトラバ「Ref.5196」を彷彿とさせるモデルです。飽きが来ないデザインで、様々なシーンで長くお使いいただけると思います。

「Ref.5396R-015

最後にお伝えするのは、とてもゴージャスな文字盤で、先日当店でも販売した「Ref.5396R-015

比較的最近の2017年に新作として発表され、ブルー・ソレイユ文字盤にゴールド植字インデックス、バゲットカット・ダイヤモンド・インデックスを配したゴージャスなモデルです。

カタログで見ると文字盤の雰囲気が分かりづらいのですが、実物を見ると文字盤の作りがとても良く、品のある仕上がりとなっており、さすが【 パテックフィリップ 】と思いました。

「Ref.5396」に共通して言えることではありますが、程よいサイズ感とされる38.5mm径であるのに、その大きさ以上に存在感を放っている理由は、11.2mmのケース厚とフラットベゼルによるものだと思います。

まとめ

パテックフィリップ 】と聞くと、今はノーチラスアクアノートが真っ先に思い浮かぶかと思いますが、本来は革ベルト仕様のモデルが圧倒的に多く、私の中ではドレスウォッチ=【 パテックフィリップ 】が直ぐに思い浮かびます。

今回は、既に廃盤になっている数々の素敵なモデルがありますが、『現行モデル』に絞り込み、その中で比較的手が届きそうなモデルを選び、お話させて頂きました。

昨年、国内正規販売価格が改定された影響はもちろんありますが、以前と比べると中古市場での販売価格も少しずつ上がっていると感じるモデルも見られ、私としても嬉しい限りです。

市場での流通個体もそこまで多くはありませんが、今年も出来る限り多くの【 パテックフィリップ 】の時計をお届け出来ればと思います。

では、また!

この記事の執筆者
阿部泰治
コミット銀座 店主 銀座著名店で長きに渡り高級腕時計を取り扱い、2016年1月、コミット銀座を創業。 ロレックスやパテック・フィリップをはじめとした希少品やコレクターズアイテムを多数扱う実績を持つ。 時計本来の価値、時価を判断し、委託手数料の業界最安値水準を確立。
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